2009年第4回定例会を終えて(談話)

2009年12月16日
幹事長 西崎 光子

今議会は20年度一般会計決算の認定を巡って、紛糾・迷走した議会でした。
生活者ネットワーク・みらいは、新銀行東京への400億円の追加出資やオリンピック招致活動および150億円の使途など、情報公開と責任の所在が不十分であることをもって、不認定の判断をいたしましたが、議会として決算を「不認定」とするのは確かに非常に異例のことです。しかし自民党から「翌年度の決算審議の参考とされていた議会の決算審査の継続性を途切れさせてしまうことになり、重大かつ異常な事態で、これを収拾しなかった議長の責任を問う」という理由であろうことか、議長不信任案が出されたことには、議会を熟知した大会派のやるべきことかと驚きを禁じ得ません。
各会派が責任を持って判断をした結果である決算特別委員会の不認定という決定に、議長が恣意的に介入することは、議長の職責の不当な拡大であり、議会の秩序を乱すことであって、決して許されるものではなく、議長不信任決議案には反対をしました。
決算審査は、単に計算に間違いがないか、支出に符合しているのか、収支は適法であるか、などをチェックするだけではなく、次年度以降の予算編成に当たっての是正すべきことを示すことも重要な役割であり、その内容は審議の中で充分に行政側にも伝わったと考えます。そして不認定とした議会の責任も一層重くなったことを自覚するとともに、知事にもこの決定を重く受け止めて頂きたいと要望しました。

今議会には、今年の3月に可決した「東京都立病院条例の一部を改正する条例」に関連して、都立3小児病院の存続を求める多くの署名を集めた請願が出されました。この背景には、移転に伴う地域医療の影響について多くの不安が解消されていない現状が明らかです。病院経営本部は「医療体制は十分に確保できる」としていますが、これまで都立病院が担ってきた医療体制を担保する具体的な計画としては十分ではありません。都として、地域の受け皿となる医療へのさらなる協力と支援を誠意と努力をもって果たし、地域の不安が解消されるまで病院の廃止は凍結することを求めました。
今回議決した補正予算はいずれも、緊急に必要な事業を実施するために、基金として一時積み立てられ、今年度 実施可能な事業について 必要額が計上されたものです。医療・保育・教育・介護・雇用・住宅などの諸課題の根底には、「生活の貧困」の進行があります。「生活の貧困」の救済に向けて、早急にかつ無駄なく、地域で事業が行われるよう、都の迅速な事務執行を要望しました。
本会議は終了しましたが、オリンピック招致、新銀行東京、築地市場移転などの問題は早急に議論を進める必要があります。与野党の政治的駆け引きに振り回されることなく、都民の疑問・不安に応えることが議会の責任です。
皆様からのご意見をお待ちしております。
以上