8.29 関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を送付しないことに抗議し要請を行いました

9月1日に「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」が行われます。しかしながら、小池知事は8年連続でこの式典に際して追悼文を送付しないできています。「日本共産党東京都議会議員団」と「グリーンな東京」の会派のみなさんと一緒に都知事に対して要請をおこないました。

 

東京都知事 小池百合子 様

 

小池百合子知事が8年連続、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を送付しないことに厳しく抗議し、送付再開を求める要請

 

2024年8月29日    

日本共産党東京都議会議員団

グリーンな東京      

都議会生活者ネットワーク       

 

 8月14日、小池百合子知事が今年も関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典に追悼文を送付しないと報道されました。知事が2017年に追悼文送付を中止してから8年連続となります。小池知事のこうした姿勢は、虐殺の被害者を貶め、歴史修正や民族差別を助長するものであり、断じて許されません。ただちにあらため、追悼文送付を再開すべきです。知事は大法要で犠牲になられたすべての方々に哀悼の意を表すとしていますが、震災の被害と虐殺の被害は全く別のもので、何の言い訳にもなりません。

 

■史実を黙殺し、都自身が積み重ねた反省を投げ捨てる恥ずべき行為

 関東大震災の発生時、〝朝鮮人が暴動を起こす〟〝朝鮮人が井戸に毒を投げ入れた〟などの流言飛語が発生し、軍隊や警察、自警団などによる虐殺が行われ、数千人もの朝鮮人や中国人など多くの命が無残に奪われました。震災による被害や犠牲に加え、それとは全く別に理不尽に命を奪われる恐怖や無念を思うと言葉が見つかりません。

 都は朝鮮人虐殺事件を「東京の歴史の拭うことのできない汚点」(『東京百年史』1972年 東京都発行)とし、関東大震災50年の折、市民や都議会各会派の幹事長も参加して横網町公園に追悼碑を建立しました。以来、歴代知事による追悼文送付が小池知事の就任1年目まで行われてきました。小池知事の追悼文送付中止は、半世紀近く重ねられた東京都自身や都議会の、悲劇を「二度とくり返さない」という誓い、歴史を継承する決意をいとも簡単に投げ捨てるものです。

また8月5日、在日朝鮮人の歴史が専門の大学教授らが東京都に要請、記者会見を行い、小池知事が追悼文の送付をやめ、虐殺の事実があったかどうかの認識を示さないことは、「定まった評価を受けている学説への信頼を毀損している」と批判しました。小池知事の追悼文送付中止は学問や知性に反する行為と言われているに等しいものです。

何より、虐殺事件の被害者や多くの都民が語り継いできた幾多の事実とその記録を乱暴に踏みにじることに他なりません。

小池知事の追悼文送付中止は極めて悪質で恥ずかしい行為であり、東京都知事としてあるまじき行為であると厳しく指摘するものです。

■防災を語るうえでも史実に向き合うべき

100年前、当時の一大防災事業であった荒川放水路の工事にも多くの朝鮮人が携わっており、その人たちが虐殺されています。昨年来、東京都は「関東大震災100年」と称して様々な防災に関する事業を行っていますが、朝鮮人虐殺事件に向き合った企画や、災害時デマなど災害教訓の継承がありません。

内閣府中央防災会議の報告書でも「殺傷事件の検証は、事実の解明と周知を通じての、この種の事件の再発防止を意図した活動として、防災上も評価すべき」と記載されています。今こそ小池知事は史実に向き合い、重要な災害教訓としても継承すべきです。

■民族差別・ヘイト行為を増長させる小池知事の責任は重大

また現在、他民族へのヘイト行為が重大問題となる中、こうした史実に向き合う真摯な姿勢と歴史教訓の継承は重要です。ところが、小池知事による追悼文送付中止以来、史実をゆがめ他民族を冒涜する団体が、追悼式典と同時刻に隣接した場所でヘイト集会を開催するようになりました。こうした事態を招いた小池知事の責任はあまりにも重大です。小池知事は先の都知事選挙の公約で、「どんなひとも自分らしく生きるインクルーシブな東京」の実現を掲げましたが、これに真っ向から反することであることも、言うまでもありません。ただちに追悼文送付を再開し、東京都は他民族への冒涜、ヘイト行為を許さないという毅然とした態度を示すべきです。

 小池知事がこれまでの誤りを認め、以下に応えることを求めます。

 

 

1,知事は誠実に史実を直視し、今年の9月1日に開催される「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」に対して、追悼文の送付を再開すること。

2,防災対策の強化がますます求められる今こそ、関東大震災朝鮮人虐殺事件という「史実」と「災害教訓」を継承する事業に取り組むこと

以上