都議会生活者ネットワーク
幹事長 大西由紀子
本日閉会した2008年(平成20年)都議会第2回定例会では、環境確保条例改正など上程された知事提案及び議員提出議案全てに生活者ネットワークは賛成しました。
岩手・宮城内陸地震では、山間部の大規模な地すべりや、崩落の様子が、生々しく報道されました。生活者ネットワークは、以前から、都内の地下壕48箇所の崩落対策や、斜面地マンションの危険性を、指摘してきました。都は盛り土造成地での地すべり崩落の可能性を明らかにする「宅地ハザードマップ」作成にむけて動き始めましたが、今後市区町村との連携を一層強め、対策を進める必要があります。
あふれる情報の中で突然起きる不可解な事件など、子どもをめぐる状況は今非常に不安定なものになっており、教育の役割は重要です。教育長の任期満了に伴う人事案には賛同しましたが、強権的で管理の色合いが強いと感じられる東京都教育委員会が、子育て中の親や、女性など、世代のバランスの取れた構成で、さまざまな事態に対応できる教育委員会となることを強く求めました。
医師不足への対策として医学部の定員増を図り、奨学金の貸与が提案されたことは一歩前進ですが、医師の定着にはさらなる工夫が必要です。ことに女性医師の働きやすい環境(夜勤・当直の免除、保育支援など)を整えるよう、当事者の意見を聞きながら進めていくことが求められています。
築地市場の豊洲新市場予定地への移転問題については、生活者ネットワークは、衛生管理を徹底し、さらにCO2削減対策や環境対策を進めるためにも、狭あいな築地での対策には限界があることから、移転やむなしの立場をとってきましたが、移転先の新市場予定地の予想以上に深刻な汚染状況が判明した今、再考せざるを得ません。現在地での再整備、汚染対策を行なった上での豊洲移転のいずれも問題は大きく、今回、生活者ネットワークは、第3の道として晴海を再検討することを提案しました。
築地も晴海も、オリンピック関連施設の予定地とされており、豊洲予定地への移転を強行する場合でも、徹底的な土壌対策を行なうには時間がかかり、オリンピック招致計画に不安が出てきます。ここにも行き当たりばったりの都政運営が垣間見えます。
インターネットの普及で市場外流通が増えるなど、市場の取扱量は今や約6割となり、今後、人口が減少していく時代に、40haの広さが必要なのか、まず築地市場の将来を定め、その上で、その他の問題を解決すべきです。生活者ネットワークは、食品を扱う市場の安定的、かつ安全な維持管理がもっとも優先されるべきだと考えます。
以上