都議会生活者ネットワーク
幹事長 大西ゆき子
本日、平成19年度第1回都議会定例会が閉会いたしました。
生活者ネットワークは、第1号議案「平成19年度東京都一般会計予算」と第22号議案「平成19年度東京都臨海地域開発事業会計」に反対。その他、付託された知事提出の29議案及び議員提出第1号議案に賛成いたしました。
石原都政2期8年を見たときに、1期目はデイーゼル車規制や外形標準課税で国を揺さぶるなど、その政治手法は都政にスピード感を産み、新しい知事像を示しました。しかし、近隣アジア諸国への何の配慮も見られない国際感覚や、人権感覚が欠如した発言の数々は、首都東京の知事として許されるものではありません。さらに、未来ある子どもを守り育てるべき教育行政において、国に先駆けて日の丸・君が代を強制し、教育現場の混乱と沈滞をもたらしたのは、大きな問題です。
ここに来て、知事の肝いりで始まったワンダーサイトや新銀行などの、不透明な運営や経営不振が明らかになり、さらに知事四男への不明朗な公費支出など、側近重用・ファミリー都政の様相が強まり、権力者にありがちな末期的な症状を呈しています。
知事は、3選出馬のために、オリンピック招致を最大の公約として掲げ、それに向けて大急ぎで「10年後の東京~東京が変わる~」を策定しました。相変わらず東京だけは成長路線が続くと想定して、三環状などの道路整備を全面に掲げて、世界都市を目指し、国際競争力に勝つことなどが盛り込まれた構想は、もはや時代遅れといわざるを得ません。
生活者ネットワークは、オリンピック招致よりも、都民の生命の安全確保と環境保全を最優先すべきと考えます。特に、いつ発生しても不思議ではない東京直下型大地震に対して、住宅の耐震化への財政的支援が不可欠です。
景気回復のおかげで、都財政は危機を脱したものの、このままのトップダウンの手法では、新たな時代の市民主権に立ったまちづくりは望めないと判断し、一般会計予算に反対しました。
なお、政務調査費については、都議会はその金額の大きさや情報公開がないことで、ワースト1と見られています。改選後の議会運営委員会の中で、「政務調査費の使途について透明化するべきである」として全会派の意見が一致。具体的な方策及び検討体制等について、協議していくことが確認されながら、放置してきたことは大きな問題です。今回提出された「政務調査費の交付に関する条例」については、「議会運営委員会に付託する動議」と「即採決を求める動議」が出されましたが、全会派一致でなければ実現はできません。議会としての合意形成の努力こそ必要です。単なるパフォーマンスやアリバイづくりに終わらせず、早期に議論を行い、都民に対する説明責任を果たしていきたいと考えます。
硬直化した都政を刷新するために、生活者ネットワークは、新しい知事の誕生に向けて、全力で活動してまいります。