都議会生活者ネットワーク
幹事長 大西由紀子
首相自ら100年に一度の「未曾有の大不況」という経済状況の中、東京都は年度末・年度始めの端境期に対応するとして、総額508億円に上る補正予算を計上し、本日可決しました。補正予算の8割以上が中小企業対策であり、融資枠を増大し、保証金補助を行い、公共工事で緊急事態に対応するなどで、資金繰りに苦しむ中小企業への支援として緊急的に必要な対策であり、すばやい対応と考えますが、職を失い、住まいも失い、本当に支援の必要な人々にまでしっかりと届けなくてはなりません。
世界的金融危機は、長期化するとの予測もあり、対処療法的な救済だけではなく、将来の安心が描ける誘導が必要です。人への投資、能力開発に向けた投資を社会全体で考えていく時代に入ったことを行政は認識すべきです。グローバル化に振り回されない地域に根ざした安定した働く場は、担い手や地域に安心をもたらします。市区町村との連携でよりきめ細かな対応を要望するものです。
総合周産期母子医療センター機能の強化や医師確保については、都立病院、民間の病院と連携して周産期医療ネットワークを構築し、着実に成果を上げることを期待します。また、NICU、GCUの確保のためには、施設整備だけでなく、長期入院児の地域の受け皿を充実し、重症心身障がい児の在宅医療のサポート体制を整備するよう、福祉保健局全体で取り組んでいくことを要望しました。
さらに、ハイリスク出産への対応は緊急課題ですが、大多数の妊産婦が地域で安心して出産できるようにするためには、助産師との連携で、女性の生涯を通じての健康づくりの推進こそ必要であることを提案しました。
仕事、住まい、年金、介護、医療などのセーフティネットがいずれも危うくなっています。市民の負担を少しでも軽減し、安心・安全な社会の構築が求められていることは承知していますが、部分的な手直しでは混乱を招く恐れもあります。
都立高校の授業料の軽減については、一律に授業料を下げるのではなく、むしろ、本当に家計が苦しい家庭の子どもが、年度途中でも授業料減免を受けやすくし、卒業まで支援していくべきであると考えます。
参議院宿舎建設問題は、白紙撤回となって、都心の貴重な緑が守られたと胸をなでおろしはしましたが、今後も守られるかどうかは予断を許しません。緑地を守り、増やすために、知事のいっそうの尽力を要望しました。
校庭の芝生化は教育環境にとっても有効であると、教育庁も認めました。公立小中学校の芝生化で300haの緑地確保は「10年後の東京」の目玉の事業です。この政策を進めるための大きな課題として、維持補修費の補助が必要なことを再度要望しました。
生活者ネットワークは、これからも生活者の視点に立って、市民主権・自治と協働のまち東京をつくるために力を尽くしてまいります。
みなさまからのご意見・ご提案をお待ちします。
以上