2007年第4回定例会を終えて(談話)

都議会生活者ネットワーク
大西 ゆき子

 政務調査費の公開に向けて、あり方検討委員会がようやくスタートしました。生活者ネットワークは、議会として納税者である都民に対する説明責任を果たすべきであり、一貫して領収書添付の義務づけを主張してきましたが、全会派が合意して取り組まない限り、実現できません。議会運営委員会においては、公開に慎重な3会派と、自主公開した会派の間で、膠着状態が続いていました。
生活者ネットワークは、新しく設置されたあり方検討委員会では、議会改革の視点から、政務調査費とともに、海外視察のあり方等、時代の要請をうけた議会運営にも踏み込む議論をすべきだと考えます。

低所得者生活安定化プログラム~緊急総合対策3ヵ年事業については、低所得者に対するセーフティーネットの機能の必要性を認識しての政策と考えますが、貧困は様々な事件に象徴されるように深刻な段階にきています。所得の格差が教育の格差生み出し、差別化が促進されている現実を直視し、貧困や家庭の不和が原因で子どもの教育に差が生じないよう、最大限の努力が必要です。意欲を持つ子どもへの救済策のさらなる充実を求めました。
また、今回の低所得者対策では、長期的な住宅支援の施策はありません。低廉な家賃の住まいの保障は基本的人権の保障であり、暮らしを安定させるためにも住宅の支援を求めました。

法人事業税3,000億円の移譲については、石原知事は「地方分権に逆行するものだ。筋が通らないことがまかり通るのか」と対決姿勢をあらわにしてきましたが、オリンピック招致への協力などを見返りに、自治の本筋を放り出してしまいました。こうした原則なき対応が許されてはなりません。地方との格差は解消されなければならない課題ではありますが、地方税をスライドすることでの格差是正は、根本的な解決になりません。
今、国においては、社会保険庁のずさんな年金管理や、防衛省の無駄遣いなどが次々に明らかになる一方で、薬害被害等については責任を放棄し、国民の怒りを買っています。財源確保のためには、国はまず公務員の削減や給与引き下げなど、自ら身を切る覚悟で歳出削減を行なうべきであり、その上で、税のあり方についても抜本的な改革案を示して、地方に税財源の大幅移譲を行ない、地方の努力と創意工夫を促すべきです。
生活者ネットワークは、国策の失政を放置したまま、それを糊塗することに、最大の自治体たる都が加担してはならないと考えます。また、この減収により、都民生活への影響は最小限にしなくてはなりません。
法人事業税3,000億円の移譲を決定したことは、自治の本筋を外れ、地方分権に逆行するものであり、1日も早い抜本的な税制改革を求めるよう要望しました。

生活者ネットワークは、生活者の視点に立って、市民主権・自治と協働のまち東京をつくるために、力を尽してまいります。みなさまからのご意見・ご提案をお待ちします。

以上