2003年第1回東京都議会定例会が閉会しました。
(2月5日~3月7日)
2月19日に中途議決においては、第48号議案「東京都男女平等推進基金条例を廃止する条例」並びに第49号議案「東京都国際平和文化交流基金条例を廃止する条例」は、特定目的基金の果実活用型基金5基金のうち、「男女平等推進基金」「国際平和文化交流基金」の2基金を廃止し、約170億円を「財政調整基金」に積み立てる、というものです。男女平等、国際協力の継続的な推進が、社会変化の中で一層求められる今の時期に、これら2基金を廃止するという政治的判断については到底納得できるものではないことから、に反対しました。
今議会に上程された議員提出議案第1号「東京都老人福祉手当に関する条例の一部を改正する条例」は、2000年4月の介護保険制度導入に際して、在宅福祉サービスの基盤整備が不十分な状態においては、サービス利用に困難が予想されることから、過渡期にあっては、老人福祉手当削減による激変を回避するため、2000年の老人福祉手当に関する条例の見直しには反対してきたという経過があります。しかし、介護保険制度が始まって3年が経過する現在では、介護の社会化についても認知を得、一部の手当受給者のみに限定されない、要介護者全体の利益のために、現金給付から幅広い選択を可能にする在宅介護サービスの基盤整備に充当すべきと考え、反対しました。他、上程された全ての知事提案に賛成しました。
<主な成果>
◇ 代表質問(藤田愛子さん)
・ 大規模公共施設を事前に評価するにあたり、事業コストをより正確に把握し事前評価する手法として、バランスシートの活用に向け検討。
・ 食品の安全確保に向け、保健所設置の自治体も食品のチエックを計画化する監視指導計画の策定が進められる。
◇ 一般質問(執印真智子さん)
・ 教育相談センターの相談窓口等の充実と専門相談機関としての役割を確立し、各都立学校に相談窓口を設けると共に、東京都教育相談センターに相談内容に明確に位置づけ、児童生徒や保護が相談しやすい体制づくりを進め、都が所管する他の相談機関の周知や当該機関との情報交換を行うことができるように体制を整備。
◇ 予算特別委員会
「有害化学物質対策」について(大河原雅子さん)
・保育所をはじめとした児童施設に対しても事業者が施設の新築や増改築にあたり、子どもガイドラインに沿って、整備を図るよう周知。既存の施設に対しても適切な対応。
・公共施設の建築工事においても「標準仕様書」の技術水準が尊重されるよう、今後、PFIの導入にあたっては、都の標準仕様書のうち関連する事項を遵守するよう、各局へ要請。
「支援費制度」について(山口文江さん)
・「支援費制度利用援助モデル事業」は、区市町村がプラン作成の事例を積み重ねる中で、今後、地域の実情に応じた利用援助のしくみと拡充を図る。
「子育て支援」について
・産後ヘルパー事業の拡充。
<意見書・決議>について
「医療費3割自己負担の凍結と医療制度の抜本的改革に関する意見書」について
日本の医療制度は、実効ある改革がほとんどなされず、少子化と経済の低成長化により、年金を含む社会保障制度の安定を図るという理由で、場当たり的な対策が繰り返され「給付は軽く、負担は重く」なってきている。国民・患者は一方的な負担を押しつけられ、患者の利便に資するような抜本的な制度改革がなされずに国民の負担感ばかりが高まっていくばかりである。社会保障制度に対する国民の信頼は望めず、加入者が保険料を払う気がなくなれば、制度はすぐに崩壊してしまう。社会構造の変化に対応した制度改革や歳出構造の転換を図る必要がある。今回の健康保険法等の一部を改正する法律案の改正内容は、自己負担増の標的は、サラリーマンの本人および家族(入院)で負担が2割から3割への引き上げとなっている。現在の社会状況において、さまざまな経済的負担が予測され、極めて厳しい制度改正といわざるを得ません。また、医療制度の改革は必要とはいえ、全体のビジョンが不鮮明なままに、国民負担が先行していることから、今回「医療費3割自己負担の凍結と医療制度の抜本的改革に関する意見書」を民主党と共同提案いたしました。しかし、他からも『3割負担凍結』のみの内容の意見書が出されましたが、調整がつかず、提出には至りませんでした。
「イラク及び北朝鮮に係る国際平和に関する決議」について
現在、米国などによるイラク攻撃を招こうとしているが、空爆等により実際に被害を受けるのは、罪のない市民であり、武力攻撃は、極限まで回避の努力がなされるべきである。また、北朝鮮にあっては、核兵器不拡散条約からの脱退、日本海の公海上に地対艦ミサイルを発射するなど武力誇示と思われる行為を行っている。このことは国際平和構築に対する大きな阻害となるものであり、許すことはできない。『国がイラク問題の解決のために外交努力を続けること、国際社会が平和的解決を図るため国連を中心に一致協力することと、北朝鮮に対しては、核開発の即時中止を求める。』という決議をあげましたが、共産党の反対により調整つきませんでした。
「非営利法人に対する課税に関する意見書」について
政府が進めている公益法人制度等の改革案がほぼまとまり、改革大綱として閣議決定されると報道されているが、この内容は特定非営利活動促進法の目的である「市民が行う自由な社会貢献活動を促進し公益の増進に寄与する」ことを困難とし、現在1万を数えるまでに成長したNPOを始めとする市民の公益的活動の芽を摘むものと考える。『現在までの審議経過を公開し、広く国民の意見を聴くこと。改めNPO法人、公益法人などの市民活動団体を交えた公益法人制度改革と課税制度を合わせて検討する公開の審議会を設置すること。』を求めた内容で、ネット提案で意見書が提出されることになりました。