2010年第3回定例会を終えて(談話)

2010年10月7日
都議会生活者ネットワーク・みらい
幹事長 西崎光子

本日平成22年都議会第3回定例会が終了しました。
大きな争点となる議案がない中で、今議会、最も注目されたのは、築地市場の移転・再整備に関する特別委員会の議論でした。委員会・および現在地再整備案を検討する小委員会は、休日返上で委員会を開催し、党派を超えて現在地再整備の可能性というひとつのテーマで議論を煮詰めていくことになりました。地方分権で求められている議会調査機能の強化や情報公開など、議会の活性化に向けて、都議会が先陣をきることになったと評価するものです。
豊洲新市場予定地の深刻な土壌汚染が明らかになり、対策に向けての取り組みを行っている途上にも次々に新たな問題が持ち上がり、すでに都民の信頼を回復できる限度を越えています。食の安心・安全に敏感な消費者の視点からは豊洲の地は論外であり、どんな困難も克服して、豊洲以外に市場整備をはかることを覚悟すべきです。
生活者ネットワーク・みらいは全面晴海移転も視野に入れた新天地での検討を求めてきました。特別委員会・小委員会で審議されてきた案はいずれも晴海をタネ地として有効活用することにより、今まで不可能と言われてきた現在地再整備の可能性を示唆するものです。工期の長さが指摘されていますが、業界や晴海地区住民の合意形成にかかると言われている5年間やアスベスト除去工事の前倒しなどで短縮は可能です。盛土からも汚染が出た豊洲の土壌汚染対策に今後必要となる期間と予算が明らかでないことや、業界に反対意見が根強くあることなどを考えれば、豊洲移転に係る不安要素は多く、現在地再整備との優劣では推し量れません。都は豊洲新市場の具体性が何もない中で、98年に豊洲か築地かという意向調査を行いましたが、それからすでに10年以上もの時間が経過しております。業界の合意形成、協力を仰ぐ意味からも改めての意向調査、業界の実態調査が必要と考え、特別委員会の継続に賛成しました。
一般質問で取り上げたアスベスト・水銀などの有害化学物質対策は、将来にわたって健康被害を起こさないために、東京都の責任でなすべきことをきっちり行う必要があります。
アスベスト使用建物の調査とそのリストを作ることで「見える化」を図り、水銀もその処理を基礎自治体だけに任せるのではなく、東京都の廃棄物処理計画に明記することを求めました。      特別支援教育推進計画第三次実施計画案が出されましたが、特別な支援が必要な子どもがほかの子どもたちと一緒に、十分な教育が受けられるようにするためには、人材配置の充実こそ求められているのです。現場の声、当事者の声を十分聞いて、よりよい計画にしていかなくてはなりません。
皆さまからのご意見を、ぜひ都議会生活者ネットワーク・みらいにお寄せください。