水道水源井戸の有機フッ素化合物汚染の原因究明と汚染除去を求める要請

本日、都知事および水道局長宛てに以下の要請を行いました。要請には水道局長と理事が対応しました。

2020年1月8日

東京都知事   小池百合子 様

東京都水道局長 中嶋正宏 様

都議会生活者ネットワーク 山内れい子

 

水道水源井戸の有機フッ素化合物汚染の原因究明と汚染除去を求める要請

昨年9月10日、水道局は、PFOS、PFOAの濃度がアメリカの目標値(70ナノグラム/ℓ)を超えた国分寺市と府中市にある浄水所の水源井戸について、取水を一時停止すると発表しました。有機フッ素化合物は分解されにくい物質で、生物中に蓄積され人体への影響が懸念されており、POPs条約や化審法で規制されています。

また、先日、米軍横田基地周辺の井戸から有機フッ素化合物が高濃度で検出されたと新聞報道があり、近隣住民から不安の声が寄せられました。福祉保健局が昨年の調査で、立川市や武蔵村山市にある民間井戸から検出したものです。

沖縄では、米軍基地周辺の水道水源が汚染され、浄水場で活性炭を使って除去し配水しています。日本には、これまで環境基準や水道の水質基準の設定はなかったため、沖縄県知事が基準値の設定などを要望し、国はようやく今年何らかの基準を設定するとのことです。

 多摩地域は地下水が豊富です。地域で活用している地下水は、貴重な資源であり住民の誇りでもあります。多くの住民は、おいしい地下水を水道水源として飲み続けていきたいと願っています。立川市で1,4-ジオキサンが検出された水源井戸は停止され復活していませんが、除去の難しい1,4-ジオキサンと違い、PFOS、PFOAは活性炭で除去できるため取水を続けるべきです。また、地下水は、揚水しないと水脈を伝って汚染が広がるため、自前の水源の活用だけでなく、汚染の拡散防止という観点からも揚水し続けることが重要です。

 今回の横田基地周辺の有機フッ素化合物汚染については、1,4-ジオキサン同様基地からの情報が開示されていません。しかし、住民の健康にかかわる問題であり、原因究明に取り組む必要があります。

都議会生活者ネットワークは、水道事業を実施している水道局が、福祉保健局などと協力して汚染の原因究明を図るとともに、汚染を除去した上で配水するよう、強く要請します。