2020年度予算案発表にあたって(談話)

2020年度予算案発表にあたって(談話)

2020年1月24日

都議会生活者ネットワーク 山内れい子

 本日、オリンピック・パラリンピック開催年である2020年度予算案が発表されました。一般会計の予算規模は、過去最大だった前年度に比べて1.4%減の7兆3540億円、都税収入は1.1%減の5兆4446億円を見込んでいます。

 2020年度予算について、小池知事は「東京2020大会を確実に成功させるとともに、『成長』と『成熟』が両立した、輝ける『未来の東京』を創る予算」と位置づけ、予算を編成しています。

昨年12月に「『未来の東京』戦略ビジョン」を策定し、それを推進するための事業も盛り込んでいます。戦略ビジョンは抽象的な言葉の数々が踊っていますが、2020大会後に策定する長期戦略は、都民生活の切実な課題に向き合い、将来に備える堅実な計画となるよう求めます。

今後の経済状況の不透明性を見すえ、知事は「稼ぐ力」に力点を置いています。政府や財界が起爆剤にと狙うIR(カジノを含む統合型リゾート)では、すでに汚職がはびこり、ほころびが見えています。カジノで潤うのは外国資本と業界だけで、都民にとってギャンブル依存という負の影響しかないと多くの都民が反対していることを忘れてはなりません。

昨年秋に相次いで襲来した台風は、気候変動問題が、今東京がまさに直面している現実の危機であることを示しました。知事は「気候危機行動宣言」を表明しゼロエミッション東京戦略を策定しました。気候危機対策を着実に進めるとともに、発災後に使えるような基金が必要です。さらに、避難のあり方や罹災者支援など災害対策の見直しも必要です。

確実に進む超高齢少子社会・人口減少社会に伴う諸問題にこそ取り組まなくてはなりません。若者や子育て世代が、家族介護のために学業や仕事を断念し、看取りの後に生活困窮に陥る事態も起きています。また、ひきこもり状態が長期化する「8050問題」も深刻です。こうした問題の根源にある「家族が担うべき」という考え方や「自己責任論」では全く解決できません。家族だけで孤立せず、社会全体で支える施策が重要です。

2019年は国連「子どもの権利条約」批准25年の節目の年でした。しかし、格差の拡大や情報化社会の進展など子どもをとりまく社会環境が変容するなか、虐待、いじめ、自死などの問題はますます深刻になっているのが実態です。子どもの困難はなんとしても解消しなければなりません。子どもの学びや育ちを応援する「子どもの権利条例」を制定し、子ども自身が生きていく力をつけていく必要があります。

 昨年12月に発表された各国の男女平等度を示す2019年のジェンダーギャップ指数で、日本は過去最低の121位となりました。特に政治の現場に女性が少ないことが、日本の男女平等が進まない大きな原因と指摘されています。また、18歳選挙権になったにもかかわらず若者の投票率は低く政治参加もなかなか進んでいません。高校生の政治参加を妨げる議論も多いのが現状です。男性中心の権力構造によって、価値観が変わらず多様性を認めることができないのです。多様な住民の意見が反映されるためには、女性や若者が意思決定の場に参加することが重要です。

都議会生活者ネットワークは、ひとへの投資を重点に、多様な個性がいきいきと地域で安心して暮らせる持続可能な多文化共生社会の実現に向けてチェックしていきます。