2019年度予算案発表にあたって(談話)

2019年度予算案発表にあたって(談話)

2019年1月25日

都議会生活者ネットワーク 山内れい子

 

 本日、2019年度予算案が発表されました。

 一般会計の予算規模は5.9%増の7兆4610億円で過去最大となりました。都税収入は5.2%増の5兆5032億円で、過去最高に迫る水準を見込んでいます。

 2019年度予算について、小池知事は「東京2020大会を推進力とし、東京が成熟都市として新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう、未来に向けた道筋をつける予算」と位置づけ、「東京2020大会開催準備の総仕上げを着実に進めるとともに、東京の持続的成長に向けた道筋をつける予算」としています。

 

 いよいよ来年に迫ったオリンピック・パラリンピック関連の支出がピークを迎えます。開催都市として施設整備だけでなく、その他の経費負担によって基金を総動員せざるを得なくなることが懸念されます。

 国の税制見直しによる減収や予測される景気の悪化など将来を案じて、知事は、「稼ぐ力」を大きく打ち出し、国際金融都市や外国企業誘致、特区の活用、イノベーション創出、インバウンドの拡大など、都民生活とはかけ離れた掛け声が並べられています。巨大イベント東京2020大会と併せて、都政が浮足立っている印象は否めません。とりわけ「稼ぐ力」としてカジノ誘致の議論があると報道されており、子どもや若者にとって何のメリットもないカジノには断固反対するものです。

 

 今東京に必要なのは、やはり生活都市としての基盤整備です。高齢者や障がい者が安心して地域で暮らせる在宅支援のしくみをつくったり、格差がますます広がるなか、虐待や貧困など子どもたちが被る状況をなんともしても打開しなければなりません。子どもが生きづらく困難な時代だからこそ、批准25年を迎える「子どもの権利条約」に立ち返り、社会全体で子どもの最善の利益をどう実現するかが問われます。子どもの学びや育ちを応援するために、「東京都子どもの権利条例(仮称)」を子ども参加でつくることをあらためて提案します。子どもは社会の希望であり、未来につなぐ若者や子どもへの投資が重要です。

 

都議会生活者ネットワークは、ひとへの投資を重点に、環境に配慮し、地域で安心して暮らせる持続可能な社会の実現に向けて、チェックしていきます。