都議会生活者ネットワーク
幹事長 大西ゆき子
本日終了した第3回定例会では、新銀行東京の減資に対応する540億円を含む補正予算が提案されました。400億円の追加出資を実施したばかりであり、その後の経過報告もなく、今後の情報開示の保証もないまま、いかにも必要な中小企業向け支援・雇用対策、新型インフルエンザや震災対策等と一括して、この時期に提出するという進め方には多くの疑問があります。世界の金融状況は悪化の一途をたどっており、再建の見通しのない新銀行東京は一日も早く店じまいすべきであると、改めて主張し、補正予算に反対しました。
食の安全については、ついに事故米の不正流通が都内にも及んでいたことが判明し、事業者の犯罪であると同時に、それを見過ごしてきた農水省の責任が問われなくてはなりません。安全な食品を食べることは消費者の権利です。特に成長期のこどもについては、何より未然防止の原則に立って、安全確保に努めるべきであることを肝に銘じ、所管や法律の壁をこえ、一丸となって、取り組むことを求めました。
しかし、事故米の不正流通や自給率向上を目指す国への意見書が、大消費地東京の議会から提出できなかったことは、はなはだ残念なことでした。いかに国政選挙が近いからとはいえ、党利・党略を優先するようでは、都民・消費者の立場に立つ議会とはいえません。
「政務調査費交付条例」の改正は、ようやく「公開は1円からとする」「条例施行は来年4月1日からとする」ことで決着しました。生活者ネットワークは、一貫して領収書添付の義務付けを主張しており、市民からの申し出があれば公開していますが、この問題は全会派が公開に向けて合意しなければ実現できないことから、合意点を探ってきました。今年3月末、あり方検討委員会は「新たな使途基準」を示し、試行が始まりましたが、人件費や事務所費等を按分とすることや、公開の時期など、問題は残りました。しかし生活者ネットワークは、各会派の思惑がある中で「1円以上からの公開」で合意できたことを、大いに評価し、都議会改革の第一歩と考えたいと思います。
なお、生活者ネットワークは試行中の政務調査費の領収書添付についても、引き続き公開してまいります。
「都議会あり方検討委員会」は、今後も継続設置されることが合意されましたが、市民参加や情報公開の遅れている都議会改革を速やかに進めなければなりません。費用弁償の実費の検討、海外視察のあり方、少数会派の発言の機会や参加の場を広げるなど、今後のあり方検討委員会に期待するものです。
生活者ネットワークは、これからも生活者の視点に立って、新たな時代の要請を受けた議会改革へと、力を尽してまいります。みなさまからのご意見・ご提案をお待ちします。