リニア中央新幹線着工に反対し、中止を求める声明

本日、リニア中央新幹線について、国土交通大臣は着工を認可しました。                          これに対して、都議会生活者ネットワークは次のような抗議声明を出しました。

リニア中央新幹線着工に反対し、中止を求める声明

2014年10月17日                                                   都議会生活者ネットワーク                                              幹事長 西崎 光子

 2011年の福島原発事故を機に、いたるところで電気の大量消費が見直されています。リニア新幹線は、大量のエネルギーを使い、莫大な建設費がかかります。また、発生する電磁波も強く、乗客や沿線住民の健康被害も無視できません。

都議会生活者ネットワークは、環境を破壊し巨費を投じるリニア中央新幹線事業について、これまでも反対してきました。

3月24日、東京都は、沿線自治体からの意見や市民から寄せられた意見を踏まえて、環境影響評価条例に基づき、JR東海宛てに意見書を提出しました。意見書の内容は、大気質、騒音・振動、低周波音、水質、磁界等々について詳細に意見を述べています。しかしこれに対して、JR東海は項目ごとに見解を出しましたが、指摘事項が解決したとは言えません。例えば、都内のリニア新幹線施設は、ほとんどが大深度地下を通ることになるため、特に地下水や土壌への影響が避けられません。JR東海は、地下水の水質や水位について、シート養生をする、モニタリングや定常的窓口設置などを示していますが、工事によって井戸涸れを招く懸念があります。また、建設発生土についても、搬出から処理までのフロー図が示されただけで、汚染土のチェック体制及び汚染が見つかったときの対策は具体的に示されていません。

事業認可から3年余り、この間、東京都だけでなく沿線各地の住民や自治体からも、南アルプスの環境破壊や大井川の地下水減水、工事残土の処理、工事車両が及ぼす住民生活への影響などを懸念し、計画の見直しを求める声が広がっています。6月に出された環境大臣意見は「言うまでも無く、本事業は関係する地方公共団体及び住民の理解なしに実施することは不可能である」と述べたにもかかわらず、沿線住民や国民の理解を得ようともせず、また自治体の意見も真摯に受け入れることもなく、環境影響評価の手続きだけが矢継ぎ早に進められました。

都議会生活者ネットワークは、問題解決がなされないまま着工へと進むことに対し、憤りをもって強く抗議します。