2014年第3回定例会を終えて(談話)

2014年第3回定例会を終えて(談話)

2014年10月3日

都議会生活者ネットワーク

幹事長 西崎 光子

 本日、第3回定例会が終わりました。

舛添知事は、初めての長期ビジョン策定に着手し、このたび中間報告を公表しました。長期ビジョンは2020年のオリンピック・パラリンピック後の東京を描くとしていますが、中間報告では、ハード整備を中心としたオリンピック準備で満載されています。都議会生活者ネットワークは、これからの東京には、自然や環境への配慮と、人口減少や超高齢社会への対応が重要であると考えます。これまでの拡大し続けてきた都市から縮小へと発想の転換が求められる中で、基礎自治体ではすでに公共施設の再編をはじめ、公共サービスのあり方についても市民とともに議論されています。将来への希望を軸に、生活し続けられるような東京の将来像を展望したビジョンを期待します。

来年4月にスタートする子ども・子育て支援新制度は、見切り発車したため、現場の自治体では混乱が生じています。待機児童対策として数の確保も重要ですが、子どもの育ちという観点から保育の質についても確保が求められます。子どもが心身ともに健康に育つために、外でのびのび遊べる広々とした空間の確保が必要であることから、園庭について、都有地や都立高校の校庭などの活用も含めた支援を要望しました。新制度施行後は、区市町村の役割がこれまで以上に大きくなりますが、都は、区市町村への財政的・人的支援を実施するとともに、国に対し、きちんと責任を果たすよう求めることを要望しました。

精神障がい者の地域移行に向けては、精神病院の病棟の一部を居住施設に活用するという議論がされていますが、当事者からは、病院と同じ建物内や敷地内にある限り、自由意思は担保されず、入院中と何ら変わらず地域生活とは言えないと、反対する声があがっています。都は、障がい当事者に寄り添い、地域の中で安心した生活を送れるよう、さらなる支援を求めました。

今、国は女性の活躍を推進するとして法案提出などの動きがありますが、経済政策ばかりが先行し、社会政策の視点に欠けると、批判の声が出ています。現実には、子育てや介護に追われ、仕事の両立が困難な状況を抱えている人や、非正規雇用のため経済的自立が困難なシングルマザーなどの問題は解決されていません。地域社会が希薄な東京で、孤立し助けを求められない妊娠・出産・子育てをする女性についての施策の充実、さらに、男性の長時間労働など働き方の見直しを進めていくことが必要です。

6月議会のセクハラやじ問題については、世界中に波紋が広がりましたが、解決には至っていません。議会のあり方検討委員会を設置し、議会改革とあわせて問題を解決していく必要があります。東京が今後も活力ある都市として発展していくためには、あらゆる場面で、男女を問わずひとりひとりに、その個性と能力を十分に発揮できる機会が確保されていることが重要であり、東京の未来を語る都議会こそ、東京都男女平等参画条例を遵守し、女性も男性もお互いの人権を尊重する社会の形成に向けて、牽引していく役割が求められます。

 

都議会生活者ネットワークは、環境と福祉を優先した持続可能なまちづくりに向けて、生活者の声を都政に届けてまいります。皆様からのご提案をお待ちしております。