2013年都議会第1回定例会を終えて(談話)

2013年都議会第1回定例会を終えて(談話)

2013年3月28日

都議会生活者ネットワーク・みらい

幹事長 西崎光子

 猪瀬知事になって初めての都議会定例会が、本日終了しました。都議会生活ネットワーク・みらいは、平成25年度予算案のうち「中央卸売市場会計予算」および「水道事業会計予算」に反対、一般会計予算ほか知事提出のすべての議案に賛成しました。

 豊洲新市場予定地では、液状化や新たな汚染が見つかり、追加対策を行うため、新市場開設は延期になりました。食の安全確保や汚染対策にどれだけ税金をつぎ込むことになるのか見えない中では、中央卸売市場会計予算に賛成することはできません。

 また水道事業会計についても、過大な水需要予測をもとに八ッ場ダム建設を容認し、30億円の分担金を含む予算案であり、反対しました。

 「一般会計予算」については、これまでの都政を継承し、事業を堅実に進める方向と受け止めますが、歳出の目的別内訳で「福祉と保健」が初めて1兆円を超え、構成比でも最大となりました。少子高齢社会の進行は、さらなる社会保障関係の負担金の増加に直結します。実際にサービスを担う区市町村が主体的できめ細かな取り組みを実行できるよう支援すべきです。特に保育待機児問題の解決は急務です。都は独自の認証保育・スマート保育制度を創設しましたが、若い世代が安心して働き続けるためには、認可保育所の増設と応能負担を基本とする保育料の負担軽減、さらに3歳以降の受け入れ体制の充実に向けて、都の支援策をぜひ打ち出すべきと提案しました。

 生活者ネットワークは阪神淡路大震災以降、「避難所運営などに女性のリーダーを」と訴えてきましたが、ハード系の専門家で構成されていた東京都防災会議に女性を入れることを明言したことは一歩前進です。女性や障がい者など当事者の意見をしっかりと聞き取り、計画に反映させるためには、多様な人材の登用が必要です。

 いじめ・虐待・体罰など子どもが生きにくい社会状況が続いています。強権的な指導が目立つ東京都教育委員会ですが、知事も交代した今、新たに二人の教育委員を迎えて、子どもに寄り添った教育が進むことを大いに期待します。

 先日福島第一原発では停電によって燃料プールへの給水が一時停止し、改めて原発事故の収束とは名ばかりの危険な状態を認識させられました。経済再生のためには原子力エネルギーが必要と、既存原発の再稼働を急ぐ動きがあることは驚くべきことです。

 水やエネルギーを浪費するこれまでの20世紀型経済社会から脱却し、持続可能な社会を作り出していくための新たな都政運営を進めることを、猪瀬知事に求めていきます。

 最後に、都議会では、常設型住民投票条例の陳情が不採択となりましたが、小平市議会においては昨日、都内初の住民投票条例が可決されました。主権者である市民の意思を問うことは重要であり、都議会としても前向きの議論をしていくべきです。

皆様のご意見をお待ち申し上げます。                    以上