2018年第4回定例会を終えて(談話)

2018年第4回定例会を終えて(談話)

2018年12月19日

都議会生活者ネットワーク  山内 れい子

 本日、第4回定例会が閉会しました。

●一般会計補正予算について

 防災や暑さ対策の推進として、ブロック塀対策、学校の体育館への空調設置などが盛り込まれました。ブロック塀の安全対策は急務です。多摩地域の学校は、生け垣とフェンスの組み合わせも多く、緑化推進の観点からも生け垣化を要望しました。体育館は災害時の避難所にもなるため暑さ対策が重要ですが、体育館の断熱性、気密性は極めて低くエネルギー効率が悪いことが課題です。また、災害時には停電する場合もあるため、その対策として、太陽光発電などの再エネや蓄電池もあわせて実施する必要があります。

●東京都環境影響評価条例の改正について

 今回の改正では、更新時期を迎える施設が増えていくことから、新設だけでなく更新の際にもアセスメント手続きがされるようになりました。しかし、計画段階アセス制度の見直しや対象事業の種類や要件の見直しについては、審議会答申に今後の検討課題とされただけで、今回の改正には盛り込まれていません。計画アセスにゼロ・オプションを入れてSEA(戦略アセス)とすること、対象事業を拡大することなど、環境アセスメントのさらなる改善を求めるものです。

●非常勤職員の待遇に関する条例について

 「会計年度任用職員」制度を導入する法改正に伴い、非常勤職員の待遇が改善されることは歓迎するところです。現状の職場には常勤、非常勤、派遣と、立場の違う人が働いています。職員定数は増やすな、公務員を減らせという議論ばかりを耳にしますが、児童相談所や教員、労働相談情報センター相談員など、現場職員の不足を非正規職員で補うことには無理があり、都民サービスの向上のためにも、正規職員を増やすという時期に来ていると考えます。

●水道局の談合事件について

 水道局職員が契約情報を委託業者に漏らしたことは、あってはならないことです。しかし、民間委託がどんどん進められてきた現場では、熟練した技術を持つ職員がいなくなり、技術的には委託業者に頼らざるを得ない状況であったとの報告もありました。技術の継承は都政にとって大きな課題です。水道法改正により水道事業へのコンセッション方式導入が可能になりましたが、受託事業者をチェックする技術が自治体職員に残されていくのか疑問です。水道事業の民営化は行うべきではありません。

●オリンピック・パラリンピックの開催について

 今年の夏の命に関わる猛暑や豪雨などの異常気象は、まさに地球温暖化によるものです。人類が今後も生き残っていけるのかという危機的な事態を迎えており、温室効果ガス排出ゼロに向けてRE100に名乗りを上げる企業が増え、脱炭素化が世界共通の方向になっています。再エネ100%への道筋を描く潮流の中で、日本は議論すらしていません。東京都は、オリンピック・パラリンピックを契機に再エネ100%への道を探り、省エネ・再エネを率先して進める必要があります。

 都議会生活者ネットワークは、生活者の視点で、環境・福祉優先の持続可能なまちづくりをすすめていきます。みなさまからのご提案をお待ちしております。