2015年第4回定例会を終えて(談話)
2015年12月16日
都議会生活者ネットワーク
幹事長 西崎 光子
本日、第4回定例会が終わりました。都議会生活者ネットワークは、マイナンバー制度導入のための条例、日の丸君が代裁判の上告受理申し立ての議案に反対しました。
マイナンバー制度は、個人情報の流出やプライバシーの侵害への不安は拭えません。都が条例によって歯止めをかけたとしても、ネットワークシステムによる特定個人情報の提供や任意代理人への自己情報の開示など、運用する中で問題が起こる懸念もあり、反対しました。
12月10日、いわゆる「10.23通達」違反を理由とした再雇用拒否をめぐる君が代裁判において、東京高裁が都に下した判決は控訴棄却であり、きわめて妥当なものと考えます。最初の提訴から6年も経過し、この間、1度ならず2度も「裁量権の逸脱・濫用」であると司法の指摘を受け敗訴したことを、都は謙虚に受け止めるべきです。上告を繰り返すことは、時間と税金の無駄遣いであり、反対しました。
新国立競技場に関して知事が合意したとする都の財源負担は、整備費の4分の1にあたる395億円で、周辺整備費を合わせると448億円に上ります。しかもその中に旧国立競技場の解体費用まで含まれています。巨費を引き受ける理由として知事があげた「都民への便益」には説得力がなく、説明責任を果たしておらず、生活者ネットワークとしては納得できません。
国では、看取りも含めて在宅介護に舵を切っていますが、家族介護を前提としているため、サービスの質も量も足りず、老老介護に加え、育児と介護の同時進行、ヤングケアラーの問題など、家族が憔悴し破たんする事態も起こっています。認知症になっても家族がいてもいなくても、安心して住み慣れた地域で生活できるように、医療・介護・生活支援や住宅の確保など地域包括ケアシステムの構築にむけた取り組みを進めていくことを求めました。
COP21で、アメリカ、中国や途上国を含むすべての国で温室効果ガス削減の取り組みが義務付けられ、今世紀後半には実質的にゼロにする「パリ協定」が採択されました。都が現在策定中の環境基本計画には2030年までの数値目標が示されています。都は、これまでバックキャスティングの考え方で、国に先駆けて意欲的な目標と施策を展開してきており、知事に積極的な取り組みを求めました。
2016年4月から始まる電力の小売自由化を契機に、消費者が、原発に依存せず、環境に配慮した電源を選択できるよう、電源構成や環境負荷の表示を国に求めること、市民への普及啓発、情報発信を積極的に行うことを要望しました。
都議会生活者ネットワークは、環境と福祉を優先した持続可能なまちづくりに向けて、生活者の声を都政に届けてまいります。みなさまからのご提案をお待ちしております。