2014年第2回定例会を終えて(談話)
2014年6月25日
都議会生活者ネットワーク
幹事長 西崎光子
今議会初日、知事はオリンピック・パラリンピックの開催計画の見直しを表明しました。施設整備が大会後の東京へどのような影響を与えるのか、整備コストの高騰への懸念などから、検討がされることは当然です。都立葛西臨海公園のカヌー競技の会場問題について、生活者ネットワークは、繰り返し、知事の現地視察と計画変更を求めており、この変更は「環境を優先する2020年東京大会」の主旨を実現するものと歓迎するものです。また国が整備する国立競技場の改築についても、建築家や市民からの指摘を受け止め、開催都市の知事として速やかに国に計画変更を求めるよう要望しました。
今回「東京都いじめ防止対策推進条例」が制定され、条例や総合対策には教育的な支援をしていくことが書かれていますが、生活指導統一基準の指導指針や、青少年治安対策の枠組みの中で罰則規定が設けられることが想定されます。しかし、いじめは単純にいじめを行った子どもへの厳罰で解決するとは思えません。まずはいじめが子どもにとって学習権・生存権の侵害に当たるという認識を関係者すべてが共有することが重要です。子どものストレスの全てを受け止める第三者機関が必要であり、教育委員会だけでなく、福祉保健局などとの連携を強化するとともに、今こそ都として子どもの権利条例の制定に取り組むべきと主張しました。
都議会一般質問において、女性の妊娠・出産に関する質問の際、議場内の男性議員から「自分が早く結婚しろよ」などの複数のヤジが飛び交い、嘲笑が湧きました。こうした言動は、セクシュアルハラスメントにほかならず、人権侵害行為です。公的な場所である議場において発せられた内容は、男女平等参画をすすめ、セクハラ防止に取り組む都政を監視すべき都議会として、消すことのできない汚点を残したものと、弾劾せざるを得ません。今回の野次発言は、都議会議員の人権意識の低劣さが露呈したものであり、当該議員のみならず、この問題をうやむやにしようとする議会のあり方にも社会の目は厳しく注がれているとみるべきです。
今、差別発言に関する問題は、各国で国政を揺るがす事態となっています。
オリンピック・パラリンピックを開催しようとする東京の議会において、このような差別発言が二度と繰り返されることのないよう、都議会の自浄作用や規範意識、人権意識の向上にしっかり取り組んでいかなくてはなりません。
都議会生活者ネットワークは、社会が抱える女性差別の問題に対して、いっそう真摯に立ち向かっていく決意を新たにしました。
皆様からのご意見をお待ちしております。
以上