2013年都議会第3回定例会 討論

2013年都議会第3回定例会 討論

 

2013年10月11日

山内玲子

 都議会生活者ネットワークを代表して、知事提出の第180号議案および議員提出の第15号議案に反対、その他の知事提出議案に賛成の立場から討論を行います。

 

180号議案「八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について」

  今回出された基本計画変更は4度目で、これまで工期の延長が繰り返されています。工期延長の原因は、用地取得や周辺工事の遅れです。現地は地すべり地帯で対策の必要性から、2019年度の完成も難しいことが指摘されており、それに伴って事業費の増額も予測されています。

 八ッ場ダムの問題点については、これまで何度も述べてきました。この20年、水需要は減少しており、昨年、今年と取水制限を実施しましたが、市民生活には何の影響もありませんでした。人口減少によって、将来水需要はさらに減少します。治水に関しても、東京で問題になっている浸水被害はゲリラ豪雨による内水氾濫であり、八ッ場ダムができたからと言って、何の解決にもなりません。

 構想発表から60年経っても完成しないことは、八ッ場ダムがいかに不要不急の事業であるかを示す証拠です。都は、勇気を持って八ッ場ダム事業から撤退すべきです。一方、これまで多大な労苦をかけてきた現地への支援は惜しむべきでないことを申し添え、この議案に反対します。

 

議員提出第15号議案「東京都保育所建設用地取得費補助条例」について

保育所増設を促進し、保育待機児問題を一日も早く解決することは議会の総意です。ただ認可保育所だけでなく、子育て世代の生活実態に合わせた多様な保育を進めることが重要と考えます。今回の議員提案については、補助対象が自治体と社会福祉法人のみであり、設置団体の資産となる土地取得への補助でよいのかは疑問です。公共的な施設などの土地は所有者のものではなく、社会全体の資産であるべきです。生活者ネットワークはかねてから未利用の都有地は売却よりも保育所や高齢者施設として活用すべきと提案してきました。現在進められている都有地の定期借地権付き利用を積極的に進めていくべきと考え、今回の議員提案は全面的に賛成するわけにはいきません。今後さらに多方面からの検討を行い、保育待機児解消に向けた施設整備を進めていくことを望みます。

 

第169号議案「東京都障がい児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例」について

障がい児の放課後の居場所がなく、保護者が仕事を辞めざるを得なくなったという訴えが生活者ネットワークにあり、放課後デイサービスの必要性を改めて痛感しております。

今回の議案は、高齢者・障がい者という縦割り制度の枠を超えて、高齢者の小規模多機能施設で、障がい児を受け入れることを可能にするものであり、富山型デイサービスを全国に広げるものです。都は、児童発達支援や障がい児放課後デイサービスなどを増やしていると答弁がありましたが、障がい児の放課後デイサービスのニーズはもっともっと多いのです。また、子ども・高齢者・障がい者がともに暮らす、インクルーシブの考え方こそ、今もっとも求められています。ぜひ、東京においても、制度の枠を超えた支援事業が実現するよう期待しております。

 

子宮頸がんワクチンの副作用問題は、そもそも杉並区在住の当事者から生活者ネットワークに相談があったことに端を発しています。厚労省は、痛みの副反応に対応する診療機関として11病院を発表しましたが、体が四六時中揺れ続けるためにうつ病を発症するなど、痛みを伴わない副反応も多数おきています。鎌倉市では、ワクチン接種による副反応が疑われる女子生徒が2人いることを受け、市内の接種対象の3060人全員に調査を実施することを決めました。同じことが都にできないはずはありません。健康な生活を奪われた少女の救済は急務であり、接種対象者全員に対し調査を行うことを改めて要求します。

 

最後に、今後の都政運営について一言申し上げます。

新しい任期の都議会が、本格的に始まりました。少子高齢社会に向けて、東京を生活しやすいまちに変えるためには、多様な生活者の声を反映していくことが重要です。今や国家的プロジェクトになったオリンピックといえども、都民の中には賛成も反対もあって当然です。今議会で、生活者ネットワークの質問に対する猪瀬知事の発言は、誠に遺憾と言わざるを得ません。

弱い立場にいる人や少数意見などにも耳を傾け、ひとりひとりの人権が尊重される都政を実現するために、これからの4年間全力で取り組んでいくことを求め、都議会生活者ネットワークの討論とします。

以上