2013年都議会第2回定例会討論

2013年都議会第2回定例会 討論

 

 都議会生活者ネットワーク・みらいを代表して、今議会に提案されたすべての議案に賛成の立場から討論を行います。

 まず、第145号議案、平成25年度東京都一般会計補正予算について、一言申し上げます。国の緊急経済対策への対応として、平成24年度最終補正予算で積み立てた基金等を活用するため、特に子育て支援の強化に向けて安心こども基金を取り崩して、認可保育所で働く保育従事職員の処遇改善などに取り組むことは、大変意義あることと考えます。さらに、認可保育所だけでなく、認証保育所等の職員にも、都独自の取り組みとして、同等の処遇改善が行われることは歓迎するものです。

 保育待機児対策は、特に23区の自治体においては喫緊の課題です。認可・認証の区別なく、保育所の増設を進めているところですが、それに伴って経験と熱意のある保育士確保も非常に困難になっています。安心して保育に専念できるよう、処遇を改善するとともに、スキルアップのための研修の充実を求めます。

 緊急雇用創出事業臨時特例基金を取り崩して、起業後10年以内の企業やNPO等を活用した雇用機会をつくることについては、地域の雇用を進めることになるものと期待しています。これまで緊急雇用創出事業は、技能を身につけ長期雇用につながりませんでした。

 今回の事業が、短期雇用にとどまらず、正規雇用につながるようなメニューをできるだけ早く提示することが求められます。

  次に第151号議案「東京都子ども・子育て会議条例」について申し上げます。

「子ども・子育て支援法」の制定に伴い、東京都においても「東京都子ども・子育て支援会議」設置を規定するものですが、2年後の子育て新システムへの移行に向けて、会議を構成する委員の中にはぜひ子育て世代の当事者を加え、しっかり議論することが重要です。

  猪瀬知事は、ここにきて、オリンピック招致や地下鉄一元化に加え、都営交通機関の24時間運行や、標準時間の二時間前倒しなどを、矢継ぎ早に国の産業競争力会議等に向けて、提案され、「世界に先駆けて・・」とか「世界一・・・」という言葉を繰り返していますが、今後の東京をどのようなまちにしたいのか、それをどのように実現していくのか、東京の長期ビジョンが示されません。

 エネルギー問題がこれほど重要課題になっているにもかかわらず、24時間眠らないまちをめざすかのような発想は、都民の生活実態とはかけ離れたものではないかと思います。人間の生活リズムという面からも、環境の観点からもあまりに整合性がありません。

 知事の描く東京は産業重視で生活感が薄いように思えます。ことに私が住んでいる昭島をはじめとする多摩地域では、23区に先行して少子高齢化が進んでいることを日々実感しております。

 高齢化に伴って、介護や医療を必要とする人も増えています。高齢になっても、障害があっても、医療を含む生活全般の安定が図られ、その人らしい充実した人生を全うできるような在宅療養生活を実現するためには、患者や家族の負担を軽減するためのセーフティネットの構築など、都民に身近な区市町村における在宅療養支援窓口の設置や、医療・介護連携強化など、地域のニーズに合った支援が必要です。

 猪瀬知事には改めて都政の重要課題に正面から向き合うことを求めます。

 今議会に、「東京都が脱原発都市宣言を行ってほしい」という請願が審議されました。福島原発事故による放射能汚染については、汚染土壌や焼却灰の処分、食品による内部被ばくの問題など、いまだ解決していません。都は、チェルノブイリ以降、健康安全研究センターで輸入食品の測定を続けており、加えて福島事故後には、都内産物を産業労働局が、学校給食を教育庁が測定しています。チェルノブイリ事故後25年以上経過しても基準を超えた輸入食品があることを考えると、長期にわたって監視を続ける必要があります。環境中の放射線量や放射性物質とともに、食品を測定し、データの蓄積と公開を継続すべきだと思います。

  議会改革について、ひとこと申しあげます。今期の都議会でも「都議会のあり方検討会」が設置され、さまざまな議論がされてきました。視察した三重県では、各会派から議員提出議案として取り組むテーマを出し合い、議案の出し方も含めて議論しています。これからの議会は、政策を立案し活発な議論が行われること、市民に開かれ市民が参加できることが重要です。さらに、費用弁償や海外調査の見直しなど、次期の議会改革の議論につなげることを望むものです。

  今後も生活者の目線で、都政と都議会の改革に果敢に取り組んでいくことを都民にお約束し、以上で、都議会生活者ネットワーク・みらいの討論といたします。

以上