2010年第2回定例会 討論

2010年6月16日
西崎光子

都議会生活者ネットワーク・みらいを代表して、今議会に上程された議案のうち、第116号議案「平成22年度東京都一般会計補正予算第1号」、第118号議案「東京都組織条例の一部を改正する条例」および継続審議となっていた第30号議案「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」に反対、その他の議案に賛成の立場から討論を行います。
まず、組織条例の改正についてです。地域でのスポーツ振興や障がい者スポーツの振興、東京国体への準備を進めていく必要があり、充実していくことが求められますが、それは現在の体制でもできることです。新たにつくられるスポーツ振興局は、100人規模になるということで、それだけの組織編成をするのであれば、当然、どのような事業を行うのか年間予算も含め、3月時点で検討され、議会に諮られるべきでした。従来の財団等との棲み分けなど、詳細な事業内容も予算も示されないまま、新たな組織を立ち上げることは、組織の肥大化を招き、行政改革の流れに逆行するものであり、今回の組織改正には反対せざるを得ません。
一般会計補正予算案の中で、8億円という巨額な予算をあてて東京マラソンを法人化することについても、なぜ今提案されるのかがもっとも疑問の残るところです。東京マラソンは回を重ねる毎に市民の関心、理解も高まり、今後はエリートマラソンと市民マラソンが共存しながら、それぞれの夢をどう実現していくのか、その運営の在り方が注目されています。しかし、この間の質疑を通しても法人の構成、今後の事業運営費、チャリティーの手法など、肝心な判断材料が示されませんでした。
補正予算は都民生活にとって緊急、かつ適正な施策に充てられるべきです。都民の生活実態、ニーズは今、保育園の増設、若者の自立支援、高齢者施策の充実などにあり、緊急性が認められない補正予算には反対します。
継続審議となっていた青少年健全育成条例の改正については、この間、各方面から多くの意見が寄せられました。継続審議となった2ヶ月の間、多くの人々が、青少年健全育成とはどういうことなのか、子どもの最善の利益とは、などという問題に向き合うことができたことは、今回の最大の成果だと思います。
子どもが有害情報に晒され、子どもの性的搾取や性的虐待が起きている現状を、放置していいとは誰もが考えていません。しかし、単に表現の規制・取り締まりをするだけで、子どもたちをこのような社会から守ることはできません。平成21年度「マスメディアに関する調査」を行った千葉大学の明石教授によれば、親たちは「出版業界に自主規制や積極的な対象年齢の表示を要望する」とともに、「家庭内での情報教育のルール作りを行っており、親と子の対話によって決めていこうという兆しが見える」といっています。
行政に全ての判断を任せるのではなく、子どもの権利保障、子どもの最善の利益保障の理念をもって、保護者・出版業界が一丸となって、子ども自身が何が俗悪な表現であるかを理解できるように教育し、子どもたちにどのような社会がつくれるのかを考えていくのが、市民社会のあるべき姿です。
よって、都議会生活者ネットワーク・みらいは、第30号議案に反対します。
都立高校の授業料の無償化にあたり、授業料等徴収条例の一部を改正する条例が出されましたが、都立高校の現状について一言申し上げます。一般質問でも指摘した通り、今日、学力不足や不登校ぎみで学校生活になじめない子どもなど、本来なら昼間の学校で学ぶべき子どもたちが定時制高校で学んでいます。さらに今年度、全日制を志願しながら、入ることがかなわず、定時制の緊急追加募集では希望する高校がなかった子どもたちが多くいた現実を直視すべきです。せっかく入学できても全日制で1割、定時制においては3割の子どもたちが何らかの事情で卒業できていない現状もあります。これらの事実を重く受け止め、今後の都立高校の在り方を検証すべきです。家庭の状況、学びの進度の違いがある子どもたちに小学校、中学校からしっかり基礎学力をつけさせるための取り組みを強化し、回り道や、やり直しのできる東京都の高等教育を確立していただきたいと強く要望します。そのためには、教育委員会のさらなる創意、工夫、努力を求めます。
最後に、都民から出されていた「水需要予測の実施に関する請願」が採択されたことについて申し上げます。生活者ネットワークはこれまで、遠くのダムに頼らない水源自立都市をめざし、水循環を進め、地下水を水道水源として活用するなどを求めてきました。その中で、東京の人口動態や生活スタイルの変化などから、都の水需要予測の見直しを行うべきであると考えてきました。事業局としてはこれまでの経過から、水需要予測の再検討は不要との立場を崩していませんが、今回の都民の指摘を真摯に受け止め、議会の要請に基づいて、最新の情報を用いて適切な水需要予測を実施することを改めて要望し、都議会生活者ネットワーク・みらいの討論とします。
以上