2010年第2回定例会を終えて(談話)

2010年6月16日
都議会生活者ネットワーク・みらい
幹事長 西崎光子

本日、都議会第2回定例会が閉会しました。都議会生活者ネットワーク・みらいは青少年健全育成条例の一部改正など3件の議案に反対しました。
3月議会で継続審議となった「青少年健全育成条例の一部を改正する条例」については、この2ヶ月あまり、各方面から賛成・反対の意見が寄せられ、会派としても、出版業界や弁護士会などと意見交換を行い、携帯ショップや本屋の店頭を訪ねて実態を調査しました。
子どもが有害情報に晒され、子どもの性的搾取や性的虐待が起きている現状を放置していいとは誰も考えていませんが、単に青少年健全育成条例を持って、表現の規制・取り締まりをするだけでは、子どもたちをこのような社会から守ることはできません。
行政に全ての判断を任せるのではなく、子どもの権利保障の理念をもって、保護者・出版業界が一丸となって、子ども自身が何が俗悪な表現であるかを理解できるように教育し、子どもたちにどのような社会がつくれるのかを考えていくのが、市民社会のあるべき姿です。今回、多くの人々が、青少年健全育成とはどういうことなのか、子どもの最善の利益とは、などという問題に向き合うことができたことは、その第一歩であり、今後、子どもの権利条例制定こそがあるべき市民社会実現への道筋だと考えます。
また、今回、スポーツ振興局の新設と,東京マラソンの法人化への補正予算計上が提案され、スポーツ重視の方向性が示されました。もとよりスポーツの振興や東京マラソンの発展を否定するものではありませんが、2020オリンピック招致への布石であるとすれば、素直に認められるものではありません。まして3月の予算審議や年度替わりの時期でなく、なぜ今、提案されたのかは全く理解できません。
新たに恒常的な組織をつくることは、組織の肥大化を招き、行政改革の流れに逆行するものです。特に補正予算は都民生活にとって緊急、かつ適正な施策に充てられるべきです。都民の生活実態からのニーズは今、保育園の増設、若者の自立支援、高齢者施策の充実などにあり、緊急性の高いこれらの課題こそ補正を組んでも取り組むべきと考えます。
国の高校無償化が実施されましたが、一般質問でも指摘した通り、全日制を志願しながら、入ることがかなわず、定時制の緊急追加募集では希望する高校がなかった子どもたちが多くいた現実を直視し、今後の都立高校の在り方を検証すべきと考えます。高校無償化のめざすところは、望めば誰もが高校に入れ、回り道や、やり直しができる教育を確立するということです。都教育委員会のさらなる創意、工夫、努力を求めました。

都議会生活者ネットワーク・みらいは、今後も、生活者の視点に立って施策を厳しくチエックし、あるべき市民社会の実現にむけて活動してまいります。
皆様からのご意見、ご提案をお待ちしています。
以上