2006年第2回定例会 討論

第二回定例会討論

都議会生活者ネットワーク
大西由紀子

私は都議会生活者ネットワークを代表して、本会議に付託された全議案に賛成の立場から討論を行います。
まず、はじめに、「障害者自立支援法」の施行に伴い、使用料等に係る規定を整備する条例の一部改正についてひとこと申し上げます。
障害者自立支援法の本格実施を前に、当事者はもとより、グループホームや作業所の事業者からも、多くの不安の声が寄せられております。所得に応じた月額上限の設定はあるものの定率負担により、利用者にとっては、グループホームの入所や作業所への通所を控えることが予想され、事業者にとっては支払われる報酬が利用実績になることで、運営が厳しくなることが懸念されています。障がい者自身が、それ相応の収入を得ることが実現すれば、必要な福祉サービスや公的医療を利用したときに一定の負担が可能になります。しかし、障がい者の一般就労率は約1%、都の区市町村就労支援事業でも一般就労ができた人は、2004年(平成16年)度572人、2005年(平成17年)度717人です。障がい者の自立にはほど遠い状況です。そもそも、自立支援法の目指すものは、障がい者の自立・つまり就労を充実させることにあったはずです。しかし、その体制が整わないまま、利用者負担を導入したことは乱暴であり、問題です。
都は、今年度から「障害者地域生活移行・就労促進3ヵ年プラン」を重点事業として、施設から地域での生活、さらに福祉的就労から一般就労へとすすめていますが、作業所の法内化に向けた都の支援策は、事業計画では3年間に100か所です。法内化になかなか移行できないところについては、実態調査を行ったうえで、現場の声をしっかりと反映させた都独自の支援が必要であり、法の見直しに向けて国への要望や意見書を提出すべきであると考えます。
現在、都の障がい者雇用は、法定雇用率を上回る3.05%ですが、一部視覚障がいの方を含めた身体障がい者だけというのが実態です。生活者ネットワークは今議会の一般質問で、都の障がい者の雇用について、短時間・嘱託などの就労形態も含め、障がい者の就労への門戸を開いていくことを求めました。しかし、都職員の職務は多様であり、知的障がい者等の業務を抜き出すことは困難であり、今後の検討の余地がないとの答弁でした。自立支援法に基づき、民間に先駆け積極的に障がい者の雇用を進める立場にある都が、知的・精神障がい者の雇用はゼロということでは、民間に対して説得力に欠ける事態であり、都としての取り組みを強く求めるものです。
次に、臨海について一言申し上げます。
臨海第三セクターの破綻処理の責任問題に関して、都はあくまでも三セクの問題とし、臨海事業は順調に進捗しており、今後10年かけて総仕上げの時期になるという答弁を繰り返しました。しかし、民事再生法申請による法的処理という事態を招いたことは、民間企業ならば経営破綻であり、当然、経営責任が問われるものと考えます。当初は、大型共同溝や関連道路はもとより、臨海副都心に発生集中する交通量とはあまり関係のない道路建設費まで負担する強気の開発計画が、結局、埋立造成費も回収できず、三セクは破綻するなど、都の事業は大失敗に終ったのです。しかも、破綻した三セクは、都の職員の天下り先になっており、破綻をさらに加速したともいえます。公営事業の制度的、道義的限界として、きちんと整理して、こうしたずさんな都の事業が繰り返されないように将来の教訓とすべきです。

最後に、教育について一言申し上げます。
今年4月より、教職員人事、教育課程、学校経営全般の権限を委ねられた新たな行政機関として、東京都学校経営支援センターが開設されました。学校経営支援センターは、事務の効率化や職員の学校訪問を通じて日常的な支援を行うとしていますが、学校現場の自主性を損なうものになるのではないかと危惧するものです。
その矢先、さらに追い討ちをかけるように、教育長は、都立学校長宛に「学校経営の適正化について」とする通知を出し、職員会議における校長権限の強化徹底を示唆しました。
このような都教育委員会の姿勢は、学校の主体性を軽んじ、やる気を失わせることになりかねません。パートナーである次世代を担う生徒と教師の信頼のもと、自発性が尊重され、創意豊かな教育の展開こそ求められているのです。学校生活は、社会に出る大事な一歩です。主体者である生徒も含めた民主的な学校運営こそ時代の要請であることを都教育委員会は肝に銘じるべきであることを申し上げて、生活者ネットワークの討論といたします。