第2回定例会(6月24日~7月9日)が閉会しました。生活者ネットワークは、財政再建問題、新銀行構想、副知事人事、「東京都安全・安心まちづくり条例」の新設などを主な焦点として、知事2期目の都政運営の姿勢を問う観点から、大河原雅子さんが代表質問を行ないました。また、これからの心身障害教育の方向性の中間まとめが出されました。
ここが問題です。都の障がい児教育の中間まとめ
東京都教育庁は、心身に障がいのある子どもたちの今後の教育改善の方向性として、障がいのある子どもだけを集めていた「特殊教育」から、障がいのある子ども一人ひとりの教育ニーズに応じて適切な教育的支援を行う「特別支援教育」へと転換する、という中間まとめを発表しました。
都が行ってきた心身障害学級のあり方を見直し、小中学校に「特別支援教室」を設置し、LD(学習障がい)・ADHD(注意欠陥・多動性障がい)・高機能自閉症を含む障がいのある子どもが、通常の学級に籍を置きながら、専門的な指導が必要な時間、巡回による指導や固定的に配置された教員の指導を受けるとしています。また、盲・ろう・養護学校に通う子どもは、地域との関係が継続できるように、地域の学校に「副籍」するとしています。
一見統合教育の方向性を感じさせますが、示されている内容にはいろいろな問題点が見えます。改善の方向性を話し合う場に、その当事者である、障がい児の保護者や現場の教師などが参加しないまま、まとめられたこと。さまざまなニーズを必要とする障がい児が在籍する「特別支援教室」での発達の保障や運営は誰が責任を持ち、どう行うのか。LD児等の認定はどう行われるのか。現段階では、方向性を示すのみとして、人的配置・財政的裏づけもない。などです。
学ぶ権利と自立に向けた取り組みは重要な課題です。障がい児の保護者や現場の教師だけではなく、すべての保護者・教職員とのていねいな話し合いを行い、お互いの理解を深め「統合教育」実現のための改善計画が望まれます。検討委員会は10月に最終答申を提出する予定です。ご意見を生活者ネットワークまでお寄せください。
なぜ次々起こるシックスクール
―学校での有害化学物質をなくそう―
子どもが長時間過ごす学校で、昨年から、調布市・墨田区・江東区の小学校、そして、世田谷の都立高校でシックスクールが発生しました。学校環境衛生の基準や検査体制が守られていないことが主な原因です。
学校での早急な対策について質問し、具体的な対応を今年度中にマニュアルとしてまとめ対策を強化すること、契約方法の改善や、第三者機関による検査体制の導入など、前向きの答弁を得ることができました。都は、化学物質子どもガイドラインの活用における市区町村との新たな連絡会を設置します。
今後とも、予防原則の視点から子どもに合わせた基準づくりを求めていきます。
12月に制定か?食品安全条例!!
都は、消費者が求める情報提供を行う「食品安全情報評価委員会」を7月末に発足させます。被害が確認されてから対策に乗り出すのでなく、食の信頼回復をめざし、独自に情報を収集、分析し、危険と判断すれば都民に注意を喚起し、国や業界に働きかけなどを行います。
「(仮称)食品安全条例」も年内に制定する方向です。食品安全基本法にはない、消費者の権利や遺伝子組み換え食品対策、子ども基準などを盛り込む必要があります。