2013年都議会第3回定例会を終えて(談話)

2013年都議会第3回定例会を終えて(談話)

2013年10月11日

都議会生活者ネットワーク

幹事長 西崎光子

 

新しい任期になって初めての都議会定例会が、本日終了しました。9月8日に2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市が東京に決定したことから、今議会の議論はオリンピックに終始しました。都議会生活者ネットワークは、知事提出の第180号議案および議員提出の第15号議案に反対、その他の知事提出議案に賛成しました。

今回出された八ッ場ダムの基本計画変更は4度目になります。構想発表から60年経っても完成しない八ッ場ダムが、利水上も治水上も不要であることは明らかです。都は、勇気を持って八ッ場ダム事業から撤退すべきであり反対しました。

第169号議案の条例改正は、高齢者・障がい者という縦割り制度の枠を超えて、高齢者の小規模多機能施設で、障がい児を受け入れることを可能にするものであり、富山型デイサービスを全国に広げるものです。障がい児の放課後の居場所がなく、保護者が仕事を辞めざるを得なくなったという訴えが生活者ネットワークにあり、放課後デイサービスの必要性を改めて痛感しております。都は、児童発達支援や障がい児放課後デイサービスなどを増やしていると答弁がありましたが、障がい児の放課後デイサービスのニーズは多く、地域での対応が必要です。また、子ども・高齢者・障がい者がともに暮らす、インクルーシブの考え方こそ、今もっとも求められており、ぜひ、東京においても、制度の枠を超えた支援事業が実現するよう期待しております。

子宮頸がんワクチンの副作用問題は、杉並区在住の当事者から生活者ネットワークに相談があったことに端を発し、全国規模に広がっています。厚労省は、痛みの副反応に対応する診療機関として11病院を発表しましたが、体が四六時中揺れ続けるためにうつ病を発症するなど、痛みを伴わない副反応も多数起こっています。鎌倉市では、ワクチン接種による副反応が疑われる女子生徒が2人いることを受け、市内の接種対象者3060人全員の調査実施を決めました。健康な生活を奪われた少女の救済は急務であり、東京都でも接種対象者全員に対し調査を行うことを強く求めました。

今や国家的プロジェクトになったオリンピックといえども、都民の中には賛成も反対もあって当然です。開催に向けては、被災地の復興を阻害することなく、限られた財源の中で優先順位を明確にすることが重要です。このような今議会での生活者ネットワークの質問に対して、猪瀬知事がネットに注文をつけた発言は、誠に遺憾と言わざるを得ません。弱い立場にいる人や少数意見などにも耳を傾け、ひとりひとりの人権が尊重される都政を実現していかなればなりません。

都議会生活者ネットワークは、これからも生活者の視点に立った都政運営を進める提案を続けていきます。ぜひ皆さまからのご意見をお寄せください。

  以上