2009年12月16日
山内玲子
都議会生活者ネットワーク・みらいとして、今議会知事提出の全議案に賛成の立場から討論をいたします。
まず、はじめに、オリンピック招致について申し上げます。
知事は、2020年オリンピックは新たな知事が判断するべきことといいつつ、12月1日の所信表明で、手続きの時間的問題とする理由で再挑戦の意思を表明。都議会の代表・一般質問のあとの新聞社のインタビューでは「議会の同意がなければ立候補を断念する」と発言。さらに、知事は、ひとごとのように、五輪PR映像10分間5億円は高いと発言していますが、まずは、敗因分析や招致活動費の決算などをきちんと都議会に報告することが先決であり、2020年オリンピックについては、新たな知事が判断すると再度認識することを求めます。
また、役割を終えた基金4000億円は、財政調整基金として、子育て支援などの緊急課題に使うべきと考えます。
都立小児病院について申し上げます。
今年の3月に「東京都立病院条例の一部を改正する条例」は可決されました。
生活者ネットワークは、高度・専門的な医療を提供する病院としての小児総合医療センターを、新たに多摩メディカルキャンパス内に整備し、都における小児医療の拠点として充実を図っていくことは認めつつ、条例改正には、八王子小児病院、清瀬小児病院、梅ヶ丘病院の廃止を伴っており、都として地域ごとの課題解決にむけて細部にわたる取り組みを進め、地域住民の不安を取り除き、医療に対する信頼を回復すべきであり、地域事情をわきまえない乱暴な条例提案には反対をいたしました。
今議会には、3病院の存続を求める多くの署名を集めた請願が出されました。
この背景には、移転に伴う地域医療の影響について多くの不安が解消されていない現状が明らかです。病院経営本部は「医療体制は十分に確保できる」としていますが、これまで都立病院が担ってきた医療体制を担保する具体的な計画としては十分ではありません。
1次、2次医療を地域に移行していくためには、都として、地域の受け皿となる医療へのさらなる協力と支援を誠意と努力をもって果たし、多くの不安が解消されるまで病院の廃止は凍結すべきと考えます。
次に一般質問で取り上げた精神障がい者施策について申し上げます。
都内の精神障がい者数は推定334,000人、精神の手帳取得者は45,000人でこの4年間で3割増加しているのに対し、まだまだ精神障がいの方々に対する地域の医療・生活支援は充分といえる状況ではありません。この11月6日に出された精神保健福祉審議会の中間まとめでも、地域が抱えてきた緊急な課題が鮮明になってきており、今回、提言された「地域での精神医療ネットワークの構築」「訪問型診療」などについては早期に取り組みを進めていくことを要望いたします。
区市町村の役割となった生活支援事業も質、量ともに足りない状況で、直ちに東京全体を検証し、支援策を充実させる必要があります。また、精神疾患の方を抱える家族は慢性的な心身の疲労に苦しんでいます。
家族のケアーを強化することにより再入院が少なくなったというイギリスの精神医療の事例もあるように、家族のための24時間体制の見守りや相談・レスパイト事業など、都として、家族に対する支援策の強化を求めるものです。
最後に、今回議決した補正予算はいずれも、緊急に必要な事業を実施するために、基金として一時積み立てられ、今年度 実施可能な事業について 必要額が計上されたものです。介護職員の待遇改善や介護基盤整備、就学支援、社会福祉施設の安全確保など緊急性の高いものばかりです。早急に、かつ無駄なく、地域で事業が行われるよう、都の迅速な事務執行を要望して、生活者ネットワーク・みらいの討論とします。
以上