2011年都議会第3回定例会を終えて(談話)

2011年10月18日

都議会生活者ネットワーク・みらい

幹事長 西崎光子

 2011年都議会第3回定例会は本日ようやく閉会しました。

 今議会は特段争点になる議案もなく、淡々と終わるかに見えましたが、当初予定の最終日を前に、議長選挙を巡って水面下の攻防が続き、11日間の会期延長、議長不信任決議提出という異例の事態となりました。

 「我欲によってその職に固執し、自ら決めた予定の会期を大幅に延長した上、議会運営を遅滞させた責任は誠に重い」と不信任の提案理由をあげていますが、会期延長や特別委員会の継続調査を議長一人の責任にすることは全く筋違いです。議長の職務権限は、「議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会の事務を統理し、議会を代表する」とされており、現議長にはこれに反する重大な瑕疵はありません。

 今期2度目となる議長不信任決議ですが、「議長不信任」は議会にとって非常に重いものであり、誰もが納得できる理由もなく乱発することは議会の権威を自らおとしめるものであることを指摘し、決議に反対しました。 

 福島原発事故による放射能汚染問題については、日々新たな情報が入ってきますが、子どもをもつ若い家族にとって今もっとも深刻な課題です。子どもへの影響を最小限にするために、生活者ネットワークはチェルノブイリ原発事故以来、放射能の子ども基準の必要性を訴えてきました。今回の事故で放出された放射性物質が存在する環境の中で、子どもたちはこれからも長期にわたって生活していかなくてはならず、子ども基準の設定が求められます。これからは、誰もが正確な放射能の数値とその意味を理解して、自分の意思で選択・判断していけるようにすることが重要ですが、放射能に関する教育は、原子力の安全神話のもとで、これまでほとんどされてきませんでした。改めて放射能の基礎知識や健康への影響を正確に伝えていくとともに、放射能測定結果などの情報の速やかな公表を求めました。

 都は、都民の健康を守り、食の安全を確保するために、都の責任において都有地および都有施設の放射能測定を行うとともに、空間線量測定や食品に含まれる放射能測定を都民が自ら行えるよう、機器の設置への補助や専門家配置などを改めて要望しました。 

 2020年オリンピック・パラリンピック招致決議については、東日本大震災とそれに続く原発事故による放射能対策も先が見えない状況の中で、震災復興という名目で大規模イベントを開催し、都市再生や求心力を高めようとする考え方は、世界の中で通用するものではなく、今回のオリンピック招致に関する決議に反対しました。

  最後に、今回の都民不在の議会の混乱は、議会への信頼を大きく損なうものとなってしまいました。この先、都議会は、決算審査・予算審議と重要な会議が続きますが、被災地の復興に向けた支援、都市の生活の在り方を根本から見直し、安全なエネルギーへシフトすることなど、生活課題の解決に、真摯に取り組むことで、信頼回復の一歩としてまいります。

以上