都議会生活者ネットワーク
原田 恭子
第131号議案平成20年度東京都一般会計補正予算第1号に反対、その他、知事提出議案のすべてに賛成する立場で討論します。
2月20日、知事の施政方針の中で新銀行東京への400億円の追加出資の提案があり、「再建計画」、「調査報告書概要版」が出され、予算特別委員会での審議に入りました。
石原知事2期目の選挙公約実現のために、血税1,000億円を出資して設立された「新銀行東京」は民間銀行が貸さないような中小零細企業向けの無担保・無保証融資であるところから、不良債権が大量に発生し、当初計画の開業3年で単年度黒字どころか、今年3月期の累積損失は1,016億円と、出資した1,000億円が1日1億円の割合で消えてしまいました。
知事の責任ある言葉として追加出資はしないと言明してきたにもかかわらず、突如として、400億円もの巨額の税の投入を提案するなど、論理的にも道徳的にも許されるものではありません。ここに至って、事業の失敗を、自らが招いた経営陣に転化し、400億円もの税の再投入を図る神経には驚くばかりです。新銀行の提案者である知事の責任は重大であり、それを容認してきた都議会の責任も問われています。
今回参考人招致も、詳細な調査報告書も提出させることができなかった議会の審議には多くの都民が納得していません。どのような付帯決議をつけたところで、それが何の保障にもならないことは、設立時の付帯決議が反故にされたことでも明らかです。
基本的に税金については、使い道を明らかにできないような支出はすべきではありません。生活者ネットワークは新銀行への追加出資には絶対に反対です。
一方、2008年(平成20年)度予算は、好調な都税収入の伸びを受けて、前年比3.8%増の6兆8,500億円の大型予算となりました。都は、「『10年後の東京』の実現に向けた取組を加速させるとともに、いかなる状況変化の下でも、その取組を支えうる持続可能な財政基盤を築き上げる予算」と位置づけていますが、三環状道路などの道路建設事業、オリンピック関連経費など、知事の関心の高いばら撒き的事業が幅を利かしています。しかし、これまで堅調に推移してきた都税収入は、原油高や円高、法人事業税の移譲などの影響で、2007年(平成19年)度をピークに先行き不透明な状況になってきています。
新銀行東京やオリンピック招致など、選挙公約実現のために、都民の貴重な税金をばら撒き続けることは、いかに人気のある知事といえども、もはや都民の理解を得られるものではありません。
温暖化対策、低所得者対策、消費者相談窓口の充実、未来ある子どもたちの教育など、都民の生活からの要求に応える都政運営が求められています。
地域自治体との連携で、事業が円滑に効果的に行なわれることを要望し、都議会生活者ネットワークの討論とします。