2011年第1回定例会を終えて(談話)

2011年3月11日
都議会生活者ネットワーク・みらい
幹事長 西崎光子

 本日、平成23年都議会第1回定例会最終日に当たって、石原知事はようやくこの4月に行われる東京都知事選挙への出馬を表明しました。石原知事の動向を見極める報道ばかりが繰り返される中で、知事自身の発言も、3期目出馬にあたっては「最後のご奉公」と言い、今回は「4期16年は長すぎる」とか、「同じ人間が同じことを何回もやったらダメ」などと、あたかも不出馬を類推させ、「東京に指揮官はいざというときに10階まで駆け上がらなければならないが自分にはそれができない」とか「もう一度知事をやる気力も体力もない、発想力はあるけれど」などと、時に弱音も吐いて見せましたが、これは選挙を盛り上げる演出だったと言うのでしょうか。
本会議・予算審議を通じて、これからの都政にどのように取り組むのか、その意欲が感じられる場面は全くありませんでした。何をやり残し、何をするために、4期目の出馬を決断されたのか、直接議会の場で示すことが、少なくとも現職知事の責任というものではないかと考えます。
都議会生活者ネットワーク・みらいは、石原知事の環境対策における成果は評価しますが、豊洲新市場建設や新銀行東京は、今後負の遺産となる可能性が高いことを指摘しておきます。
23年度予算においても、食の安全を確保する観点から、移転を推進する「中央卸売市場会計予算」には反対しました。この予算採決に際して、築地市場の移転・再整備に関する特別委員会委員長が、従来の主張から大きく転換する行為を行ったことは誠に遺憾です。
また「水道事業予算」については、昨年議会で水需要予測を求める請願が採択されたにもかかわらず、検討しないまま出された予算案であり、反対といたしました。
都税収入の伸びが期待できない中、事業評価の取り組みを強化し、無駄をなくして財源を確保するのは大事なことですが、都の予算配分は地域自治体の事業に大きく関わるものであり、地域や利用者の声を事業評価に反映することや、多様な都民ニーズに的確に応えていくために、職員が意欲的に職務に取り組めるよう「人」を大切にした都政運営が求められます。
4人に1人が高齢者になる超高齢化社会が目の前に迫っており、都民の社会保障政策は緊急な課題です。知事をめざす人には具体的な対策を早急に示し、議論にかけていただきたいと思います。私たち生活者ネットワーク・みらいは、真に自治と協働のまちをつくる新しい知事の誕生を期待しています。

本日、発生した大地震は都庁にも大きな衝撃をもたらしました。被災された方々や大きな被害を受けた地域の皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、東京の耐震対策・防災対策を改めて点検して対処するよう、提案してまいります。
生活者ネットワーク・みらいへのご意見をお待ちします。