2010年(平成23年)度予算原案の発表にあたって(談話)

2010年12月22日
都議会生活者ネットワーク・みらい
幹事長 西崎光子

平成23年度予算原案が発表されました。
都税収入は、21年度、22年度と続けて大幅な減収が続きましたが、平成23年度は前年に比べて1.7%、692億円とわずかに増えると見込んでいます。こうした中で、歳入総額は前年比0.4%減の6兆2360億円となっており、楽観はできません。
予算編成の基本的考え方として、23年度予算は「都政の使命を確実に果たし、中長期的に施策を支え得る財政基盤を堅持しながら、東京の新たな活力と成長へと結びつけた予算」と位置づけ、「都民の不安を払拭し、活力を取り戻す効果的な取組」や「東京の可能性を引き出し、新たな成長につなげる戦略的な取組」を推進するとしており、一般歳出4兆5839億円の中では、投資的経費の2.4%伸びが目立っています。
限られた財源を有効に活用するために、事業評価を通じた施策の検証や実績等に基づいて歳出の精査に取り組んだとしていますが、一つ一つの事業の必要性については、会派として市民目線で改めて検討をする必要があると思います。
重点的に配分された事業については、生活者ネットワーク・みらいが主張してきた新卒者を含む若者の就労支援が盛り込まれましたが、一人ひとりにきめ細かく対応することが重要であり、学校だけでなく民間やNPOの力を活用して、雇用の定着までを支援していくことが求められます。また教育・文化及び福祉・保健分野は構成比も前年比も伸びており、医療や福祉の人材育成や、虐待対応や特別支援教育などでもまず人的支援が重要なことは言うまでもありません。
都財政を圧迫する不安要素として、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策や、新銀行東京の問題はいまだ解決しておらず、航空機開発や港湾整備も東京都が進めるべき課題であるかどうかは大いに疑問です。
日本を取り巻く近隣の国々の状況が緊迫度を増し、国内の政治・経済状況も先行き不透明な中、都はハード面での国際都市をめざすのではなく、生活の質を高めた生活都市東京の実現に向けた施策を着実に推進すべきと考えます。
生活者ネットワーク・みらいは、以上の視点を踏まえ、平成23年度予算原案を精査し、復活要望や予算審議を通して見極め、市民の提案が生かされるよう、活動を展開していきます。