2020年第1回定例会を終えて(談話)
2020年3月27日
都議会生活者ネットワーク 山内 れい子
本日第1回定例会が閉会しました。
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、東京でも感染拡大が進むなか、オリンピック・パラリンピックの開催が1年延期になりました。IOCが4週間以内に結論を出すとした矢先の決定は、「最悪の事態」である中止を避けられたと報じられていますが、中止か延期かを冷静に議論する必要があったと考えます。予定では都の負担額が1兆3700億円。延期に伴う費用は数千億円に上るとの試算もありますが、詳細は不明、都と国、組織委員会の負担割合など何も決まっておらず、見切り発車と言わざるを得ません。東京開催が決まって6年あまり、一大公共事業であるオリンピック関連予算をどんどん巨大化させてきた企業や、オリンピックを理由にめまぐるしく変貌していく街の姿を目の当たりにしてきました。大会に向けて浮足立つ都政がいつまで続くのか、1年で世界の感染が終息するのかも不透明です。
大会延期決定の翌日、知事は「感染爆発の重大局面」と表明、都民に向けて、週末の外出自粛や自宅勤務を要請しました。都民の間には不安が一気に広がり、食料品の買いだめに走る姿が報道されました。多くの都民の生活を脅かす不安への対応が必要です。長引く学校休業による子どもの居場所や健康を確保するため教室・校庭開放、給食の提供をさらに促すとともに子育て世帯への支援、派遣切りをはじめ非正規・フリーランス労働者の相談機能の強化、そして重症化リスクの高い高齢者の命を守るための地域の医療体制整備などが緊急に行われるよう求めます。
東京が直面している危機は、新型コロナウイルスだけではありません。知事が表明した「気候危機行動宣言」にもとづき、対策を着実に進めることが重要です。気候変動の影響は、台風や豪雨などの自然災害だけでなく、新たな感染症を引き起こすおそれもあると指摘されています。感染症も気候変動も、貧困や障がいなど弱い立場にある人を直撃しています。
また、今後確実に進む超高齢少子社会・人口減少社会に伴う諸問題に取り組まなくてはなりません。高齢者や障がい者、子ども、若者が生きやすい社会をつくっていく必要があります。世界に後れをとっている男女平等についても改善すべきです。
都議会生活者ネットワークは、生活者の視点で、環境・福祉優先の持続可能なまちづくりをすすめていきます。みなさまからのご提案をお待ちしております。