2009年第3回定例会を終えて(談話)

2009年9月25日
都議会生活者ネットワーク・みらい
幹事長 西﨑光子

新しい議員による初めての定例都議会が本日終了しました。議会構成が大きく変わったためか、争点となるような提出議案はなく、都議会生活者ネットワーク・みらいは全ての議案に賛成しました。
中で課題があると思われるのは、教育問題です。今回、都立学校設置条例の一部を改正する条例には特別支援学校が含まれており、視覚障害と知的障害部門を併置し、障害の種類によらず、ひとりひとりのニーズに応じた教育を行うとしていますが、併置校における実態、保護者、学校現場の声を斟酌し、体制を十分整えてスタートしていくことを要望しました。
生活者ネットワークは、先の都議選で高校の全入と無償化を訴えましたが、国においては政権与党となった民主党が、高校教育無償化を来年度から実施するとしています。都においても世代を超えて公教育の充実、特に子どもたちの境遇によらない学ぶ権利の保障を求める声にしっかりと答えていかなくてはなりません。
国政は政権交代で大きく政策の方向性が変わってきています。生活者ネットワークがかねてから反対を表明してきた八ッ場ダムについて、新政権はダム計画の中止を明言しました。いったん始めた公共事業でも、見直しや中止の検証は必要です。都においても、水需要予測の的確な判断もせず、国のいうがままに、ムダな公共事業に荷担して来た責任は逃れられません。国に翻弄され続けた地元の方々の生活再建に万全を期すよう政府に求めるとともに、長期にわたる公共事業のあり方について、都も検討すべき時代と考えます。
また本会議において提案された2つの特別委員会の設置については、この問題が都民の高い関心を集めているにもかかわらず、それぞれ所管する委員会の中では議論を尽くすことができませんでした。都議会として都民への説明責任を果たしていないことから、十分な審議を行うため、個別の課題に特化した特別委員会の設置に賛成しました。
最後に18期の議会運営については、選挙結果を引きずったまま、臨時議会は流会し、多難なスタートとなりました。多くの新人議員を迎えて改選後はじめての本議会は、新しい議会の方向性を示す重要な場となるはずでしたが、特別委員会の設置を巡って委員会が紛糾するなど、水面下のやりとりに隠れて、何も新しくならず、7月の都議選で変革を求めた民意に対し、期待を裏切るものと言わざるを得ません。これまで多くの批判が寄せられてきた「都議会の海外調査」については、マスコミの候補者アンケートのなかでも見直すべきという回答が多かったにもかかわらず、「調査に支障のない範囲で、経費の節減につとめる」という項目が新たに加えられた程度では、到底、見直しとはいえません。
都議会生活者ネットワーク・みらいは、都民に開かれた、わかりやすい、信頼される都議会の実現に向けて、最大限の努力をするとともに、引き続き、海外調査や議会の活性化にむけて「都議会のあり方検討委員会」のなかでの議論を求めてまいります。
皆様からのご意見をどうぞお寄せください。