2008年第1回定例会を終えて(談話)

都議会生活者ネットワーク
幹事長 大西ゆき子

本日閉会した2008年第1回都議会定例会は「新銀行東京」特別議会ともいえるものでした。

新銀行への追加出資が定例会初日に突然提案されたこと、同時に提出された再建計画が極めて簡略なものであったこと、業績悪化の調査報告書の提出が予算審議の前日で、しかも概要版に過ぎなかったこと、など知事側からの提案自体が異常なものでした。加えてこれに関する審議は、生活者ネットワークは、百条委員会を設置してここに至った責任を明らかにすべきだと主張しましたが、予算特別委員会の中でわずかばかりの時間延長をもって実行され、参考人招致も、詳細な報告書提出も行なわれず、意味不明の開会の遅れや徹夜審議ばかりが目立つという議会側の対応も異常なものといわざるを得ません。
その結果明らかになったのは、はじめから業績悪化の責任を旧経営陣に転嫁し、責任逃れに終始する知事と、それをかばうだけの与党の議会に対する責任放棄の姿でした。
特に知事は「自分だったら銀行をもっと大きくしていた」だの、「この程度の審議では都民は納得しない」だの「世論調査を気にしていたら政治なんてできない」だの、無責任な大言壮語を繰り返しました。
当初出資の1,000億円をわずか3年で毀損させたことを都民に謝罪することもなく、多摩地域の多くの市の年間予算にも匹敵する400億円を、納得のいく説明もないまま新たに要求する金銭感覚と、税に対する認識の薄さは、都政を担うものとして全く不適切です。
生活者ネットワークは、新銀行への追加出資に反対し、石原知事の新銀行東京の失敗に関する責任の自覚と反省を強く求め、問責決議を提出しました。この間の知事の対応は不信任決議にも値するものではありますが、400億円を追加した責任をここで放棄させるのではなく、最後まで見届けるべきだと判断しました。

一方、2008年(平成20年)度のその他の予算案については、温暖化対策、低所得者対策、消費者行政の充実、未来ある子どもたちの教育など、都民の生活に根ざした、待ったなしの課題が山積しています。あらゆる場面で分権が求められている今、地域自治体との連携で、本当に必要な事業が、円滑に効果的に行なわれることを要望して賛成いたしました。

なお、政務調査費の公開については、全会派が取り組むことが重要です。新たな使途基準が不十分であることは承知しておりますが、公開に向けての最大公約数としての基準と捉え、4月1日からの試行の中で見直していくことが必要です。今後も1円からの領収書添付に向けて、あり方検討委員会を継続し、都民のチェックに応えられる制度にしていくために、力を尽くしてまいります。

今議会で問われたのは、行政の責任であると同時に、都議会のチェック機能です。失われた信頼を回復するために、生活者ネットワークは、全力で活動してまいります。