10月8日、東京都議会2026年第3回定例会(9月18日開会)が閉会しました。
物価高騰やさまざまな業界での人手不足など、市民生活に直結する問題が解決しないなか、千葉をはじめ首都圏を襲った豪雨や台風による水害は、甚大な被害をもたらしました。都内では史上最長となる連続降雨記録が更新されるなど、気候危機の影響を誰もが実感した夏を経ての議会となりました。
また、来年度の予算編成に向け、会派として多くの団体からの要望を受け、ヒアリングや意見交換も行っています。
国では、片山さつき財務大臣が、消費税減税のための財源確保の一環として、十分な効果が見込めない補助金や基金などを削る「日本版DOGE」に本腰を入れて取り組むと発言しました。事業の検証は生活者目線で行うべきです。減税の財源確保を理由に、福祉や医療、教育など経済効果だけでは測れない事業の補助金までカットされていくようなことになれば、本末転倒です。事業の「効果」は、実際にサービスを利用する市民や地域だからこそわかることがあります。その意味でも、都議会をはじめとする地方議会の声は重要です。引き続き、分権・自治の視点を持って活動していきます。
■独立行政法人化した都立病院の行方をチェック
今議会では、2022年に独立行政法人化した都立病院について、業務実績評価と中期目標が案件となりました。国が示す地域医療構想では、大幅な病床削減にむけた議論が進む中、都立病院には、今後さらに進む高齢化や医療需要の変化に対応しながら、地域医療と連携し都民に必要な医療を提供し続ける責務があります。
会派代表質問では、空き病床を感染症発生時等に転用できる機能を確保しつつ、在宅療養への移行支援、小規模看護多機能施設、医療的ケア児・者への支援、地域の医療人材の研修など、都立病院に求められる多様な機能に転換することを求めました。都からは、次の中期目標案に、さらなる高齢化を見据えた総合診療体制の強化などを位置付けていくという答弁がありました。今後、その内容と実施状況をしっかり確認していきます。
■子どもへの性暴力は絶対に許さない!
岩永やす代が所属する厚生委員会では、子ども性暴力防止法、いわゆる日本版DBSの施行に向け、東京都が関連する児童福祉施設、障がい児支援施設、認定こども園等の条例を改正する議案が審議されました。この法律は、本年12月25日に施行されます。
日本版DBSでは、子どもに関わる仕事に従事する教員や保育士や職員等について、性犯罪歴を確認したうえで採用することが義務化されます。施行前から勤務している従事者についても、今後3年間で確認していくことになります。東京都は、都内小・中・高校と特別支援学校など公立学校教員について、自己申告制による前倒の確認をするとしています。
しかし、法の目的はあくまでも子どもを性暴力から守ることです。従事者の犯罪歴確認にとどまるだけでは子どもを性暴力から守ることはできません。
子どもの安全を確保できる人員配置や施設整備に加え、子どもの権利を守るアドボカシーの視点に立ち、子ども自身が安心して相談でき、必要な支援につながる体制を整えることが必要です。こうした取組を都の責任において進めるべきです。
そして、被害者も加害者も生み出さないためには、何よりも人権の視点に立った包括的性教育が重要です。教育現場だけでなく、家庭、事業者、地域で大人の責任において進めることが求められています。引き続き、この問題には粘り強く取り組んでいきます。
■気候危機はすでに現実。さらなる再エネの拡充、そして脱原発を
この夏は、都内をはじめ全国各地、さらには世界的な気候災害が発生し、温暖化が原因とされています。8月にネパールで起きた大規模土石流について、同国のシャハ首相は9月24日、国連総会での演説で「単なる一地域の悲劇ではなく、世界への警告」と述べ、「世界の政治指導者である私たちは行動を怠ってきた」と訴えました。
脱炭素の取組を一層加速させなければ、次世代へのツケはさらに大きくなります。巨大エネルギー消費地である東京が、気候危機にどう向き合うのか。それは政治の責任でもあります。
7月に会派で福島第一原子力発電所と東京電力廃炉資料館を視察しました。核廃棄物処理への道筋も見えない中、地震大国である日本の脱炭素・脱化石燃料を進めるうえでは、原発に依存しないことが第一であり、再生可能エネルギーへの転換を急ぐべきだと、あらためて強く感じました。
会派の代表質問でもこの問題を取り上げ、知事からは「再エネの基幹エネルギー化を実現していく」との答弁を得ました。今後も、東京から再生可能エネルギーへの転換を着実に進めるよう求めていきます。
■AI時代に突入した今こそ、データセンターのあり方が問われる
生活者ネットワークでは、2024年に手続きが始まったGLP昭島プロジェクトをきっかけに、データセンターの問題に取り組んできました。データセンターがデジタル時代において必要な社会インフラであることは認識しています。いっぽうで、大量の温室効果ガスや熱を排出し、自然環境や住環境にも大きな影響を及ぼす可能性があります。気候危機への対応と逆行することのないよう、迅速な対策が必要です。
これまでも都に対して、環境影響評価条例に排熱や熱環境を評価項目として追加すること、都が事業者に直接働きかけること等を求めてきました。また、国に対しても、データセンターの総量規制、計画段階からのエネルギー効率値の公表、自治体や地域住民との協議の場の設置などを求めています。
第3回定例会では、こうした生活者ネットワークの問題意識を会派代表質問に取り入れ、データセンターによる「データ・ヒートアイランド現象」への対策や、データセンターの特性を踏まえて、建築基準法上は「事務所」となっている現在の「用途」区分を見直す規制強化を国に働きかけることについて、都に質しました。
都は、データセンターと地域との共生を適切に講じる、という考えを示しました。再エネ・省エネ補助が過剰な誘致につながらないよう監視していく必要があります。
これからも、生活者ネットワーク都議会議員岩永やす代は、都民の暮らしを福祉・環境・人権の視点で守るため、尽力していきます。
会派「都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会」討論
会派「都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会」談話




