2020年第2回臨時会を終えて(談話)

昨日第2回臨時会が終了しました。今回の主な議題はコロナ対策の補正予算でした。以下のとおり談話を出しました。

2020年第2回臨時会を終えて(談話)

2020年7月27日

都議会生活者ネットワーク  山内 れい子

 本日第2回臨時会が閉会しました。

新型コロナウイルスの感染者は7月に入っても増加が止まらず、緊急事態宣言中の最多を超えています。今臨時会に出された補正予算は3132億円。国の第2次補正予算によるもので、財源のほとんどが国費であり、事業も国が決めています。医療提供体制の強化が主になっていますが、コロナの影響で経営が悪化した病院では看護師のボーナスカットが報道されるなど労働環境も悪化しており、従事者への慰労金や医療機関への今回の臨時支援金では足りず、このままでは今後の感染拡大に対応できるのか疑問です。コロナ対策には何をおいても医療の準備が必要です。

  • 感染した家族への支援について

 最近、子どもへの感染があちらこちらで報告されています。3月からの全国一斉の学校の休校や保育園の休園などは、大きな混乱を招き、保護者は右往左往しました。休校・休園を防ぐためには、子どもに接する人が感染しないことが重要です。感染拡大を防ぐために、教職員や保育士などのPCR検査を定期的に実施するべきです。

 また、保育園に通っている子どもが感染した場合、自宅や病院で過ごすことになります。その際、小学生のきょうだいはどうするのか、また保護者が仕事を休む場合、緊急事態宣言中はコロナ休暇という有給休暇になりましたが、今はそれに当たりません。家族はそれぞれ子どもの数や同居高齢者の有無など家族構成も事情も違うので、必要な支援も違います。家族に応じた支援を実施するには、使える支援策を家族ごとにコーディネートできる機能が必要です。こうした仕事は区市町村でなければできず、相談・コーディネートを行う自治体に対して都は支援すべきです。

  • 検査体制の充実について

 検査件数を増やすことは、何か月にもわたって指摘されてきました。各区市や医師会の協力を得ながらPCR検査を広げていますが、検査数は目標に達しておらず、PCRセンターを閉じてしまった区もあると聞いています。PCR検査体制を拡充するとともに、感染経路を調べ感染拡大防止のためにさらに多くの人に対する抗体検査も含めて検査体制の見直しを求めます。

  • 児童虐待・DV等相談における支援について

今回、児童虐待・DV等相談における支援体制の強化に初めて1億円を計上しました。「ステイホーム」で児童虐待、DVは深刻化しており、対策の必要性が指摘されているところです。ところが、対象経費はタブレット導入やSNSによる相談窓口開設費用、マスク・消毒液購入など、イニシャルコストのみです。生活者ネットワークの調査では、今必要なのは、若年女性やDV被害者が一時的に身を寄せて支援者と相談しながら今後どうしたらよいか考えるための「立ち寄りセンター」(宿泊できる一時滞在所)であり、設置のための賃貸料や支援員、心理カウンセラーの人件費・交通費などが求められています。現行制度ではフォローできないこうした支援やニーズの高い支援にこそ税金は使われるべきです。この事業を実施するにあたっては、支援団体に聞き取り調査をしたうえで、必要としている経費に使えるよう工夫を求めます。

  • 障がい者施設等のコロナ対策について

障がい者施設では、利用者、事業者ともに、感染した場合の具体的な方策が見えず不安をぬぐえません。コロナ対策は今後も続くため、合理的配慮のもと、障がい者が感染した場合、ケア付きで入院、宿泊療養ができるようにすること、介助・介護の人材を確保することを求めます。

 

都は「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」をつくり、東京アラートも出されましたが、どこまで進んだのかはっきりしないうちに消えてしまいました。状況が変化する中で感染予防の行動を促すには、わかりやすい情報を提供することが必須です。

都は、感染予防とともに生命と生活を守ることを最優先にすべきです。社会的に弱い立場の人にしわ寄せが集まります。救済するためのセーフティーネットの構築こそ不可欠です。